世界中の協力隊からインタビュー

【タンザニア・看護師】多田恭子 さん(27年度3次隊)

青年海外協力隊平成27年度3次隊!
我が6班の班長!!
ぴかりんのブログにデビュー(^^)/♪
わいわーーーい!!

6班でさ、
ペケ3(ルール破った回数)まで行ったの、
私だけだよね?
三者面談までやったのも、私だけだよね?
優秀な6班に傷をつけてしまった私。
ちーん。

そんな落ちこぼれに寄稿を
声をかけてくれたぴかりん、
あーりーがーとーうー!

<自己紹介>

ただきょうこ(28)
現地名:フラハ(Happyって意味。ケタケタ笑ってたら、名付けられた。)
住みたい場所No.1だった
(今年は恵比寿に抜かれた(・д・)チッ)吉祥寺生まれ。
大阪に引っ越して、似非関西人になった。
「New Yorkに引っ越し?かっこいい!」
という親の嘘を鵜呑みにしたら、
そこから1時間の田舎(New Jersey州)だった。
ABCもわかんないのに現地校にぶちこまれて、
学校行きたくないって言ってたら、母に、
「とりあえず、ニコニコ!きっと誰かが助けてくれるから。」
って言われて、半ば無理矢理笑った。たぶん。
社会科見学で国連に行った時、
「世界には5歳未満の子どもが3秒に1人死んでる」
って学んで、助けたいって思った。
医者になるって決めた。
小6で帰国して、学校の和式トイレの使い方が
分からなくて家まで我慢した。
でも、しめじは流した。
給食残しちゃいけないって言われたから。
中学生のくせに学校帰りにスタバに行くような
生徒が集まる某お嬢様お坊ちゃま中学に入学した。
けど、私はマックのアップルパイ(100円)が好きだった。
「私は医者になる!」って周りに言いふらして
受験勉強したけど、挫折。
看護学部に入学したけど、
現実逃避のために、色んな国を旅した。
どんな職種でも子どもは助けられることに気づいた。
下北沢の道端の怪しい占い師に、
「2015年にチャンスが来るから、準備をしとけ」
って言われて、小児科看護師として4年間働いた。
なんとなく英語の勉強も続けた。
2015年、青年海外協力隊と聖路加国際大学院のコラボ企画が出動した。
教授に「一緒にパイオニアになりませんか?」
って言われてシビレタ。大学院受験、合格。
協力隊、合格。
そして今、念願のタンザニアで子どもたちの命と向き合ってるーんだ。

面接体験記・アドバイス

<一般面接>

なぜJOCVにしたか?なぜ海外で働きたいのか?
辛い時はどうやって乗り越えているか?
派遣先の住む環境は3Kかもしれない、
不衛生な環境でやっていく自信はあるか?
どんな活動をしたいと思っているか?

<技術面接>

5SKAIZENを知っているか?
都市部と田舎どっちに派遣されたいか?その理由は?
妊婦への指導は行ったことあるか?
子どもへの健康教育を行ったことがあるか?
リプロダクティブヘルスについてどう考えているか?

<アドバイス>

私は元気です!
2年間やってみせます!
辛くても乗り越える根性があります!
という意思表示が大事!

<出発までにやっておいてよかったこと、やっておけばよかったこと>

①語学
これは絶対。タンザニア隊員なら、スワヒリ語の日常会話は絶対!
スワヒリ語は現地の人との壁をなくす魔法の言語!

②会いたい人に会って、伝えたいことを伝える
人間ほんっといつ死ぬか分からないからね。自分も、相手も。

➂みんなの好きな言葉を暗記カードに書いてもらう
こっちで凹んだ時に読むとめっちゃ元気でる!

④実家の部屋の掃除
飛行機の重量制限21キロと知らずにあれもこれも買ったの。
ほとんど持ってこれなくて、部屋ぐちゃぐちゃのまま。
これなー…家族にほんと申し訳ない、あいむそーりー。涙

⑤日本の写真
風景、食事、家族、友達…

おすすめ便利グッズ

①南京錠
私の任地は非常にスリが多いから必須!

②ウナコーワ
かゆみ止めは売ってない!必須!

③ユニクロのウルトラシームレスパンツ
速攻乾く!

④日本食
現地のごはんもおいしいけど、やっぱり恋しくなる!

⑤maps me(携帯アプリ)
地図!これダウンロード必須!

⑥KISWAHILI(携帯アプリ)
日本語‐スワヒリ語の辞書!必須!

<私の活動の喜怒哀楽>

①喜

患者が多い病棟では、80人以上入院している。
もちろん電子カルテなんてない。
だから、患者ファイルはぐちゃぐちゃ。
探すのにひじょーーーに時間がかかる。
各部屋ごとのボックスを段ボールで作成した。
患者ファイルを探す時間が短縮した。
患者に薬を投薬する時間の遅れが短縮した。
スタッフがみんな喜んだ。
でも段ボールで作ったし、すぐ壊れるだろうなと思った。
作り方を教えても、不器用すぎて、断念。
案の定、私の作ったボックスが破けて捨てられてあった。
当たり前だけど、ちょっと悲しかった。
病棟の様子をのぞいた。
私が作ったボックスと全く同じ形のまま、
木の板で作られた頑丈そうなボックスがあった。
師長が言った。
「これで、あなたがいなくなっても、大丈夫でしょ?」
ただただ、嬉しかった。

②怒

PICU(小児集中治療室)での出来事。
ある日、患者さんが急変した。
医師が重要薬剤を看護師に要求した。
救急カートにその薬は入っていなかった。
看護師は「ない。」の一言で終わった。
私は他病棟を走り回った。
その子は死んだ。
院内には絶対に在庫のある薬だった。
師長に、今日中に注文するように伝えて、帰った。

次の日、違う患者さんが急変した。
医師が同じ重要薬剤を看護師に要求した。
救急カートにその薬は入っていなかった。
看護師は「ない。」の一言で終わった。
医師が怒った。
「集中治療室だぞ!なんで何もないんだここは!」

必要な時に必要なものを必要なだけ取り寄せる。
資源が限られている国では、あたりまえのこと。
事前準備ができないのは、あたりまえのこと。
「念のために」という概念はない。
仮に全ての病棟が事前準備をしてしまったら、
それこそ本当に必要なところに必要なものが回らなくなる。
だけど、せめて、集中治療室には…。

すっごく、後悔した。そして怒った。
“なんで今日も薬がないの!?”
心の中で、すごく怒った。
相手にじゃなくて、自分に怒った。
なんで昨日薬を取り寄せた事実確認をしなかったの?
看護師に「救急カートとは?」の講義を行った。
重要薬剤のチェックリストを作成した。
今のPICUには重要薬剤のストックが毎日あるようになった。

➂哀

栄養失調病棟での出来事。
子どもが死にそうで医師が心肺蘇生を開始した。
看護師に薬や医療物品を要求するも、
雑談をしながらチャイを飲んで、動こうとしない。
JICAの規定で私は医療行為ができない。
モノを取りに行くことしかできない。
でも助けたい。でもまだ赴任して3日目。
「なんで手伝ってくれないの?」と医師に怒られる。
でも医療行為をしてしまったら…?
ありのままの現実を受け止めようと決心。
そのまま、子どもは亡くなった。
母親は泣き崩れた。
それでも看護師はチャイを止めない。
ショックだった。
同じ看護師なのにここまで対応が異なるのか。
泣いた。
「なんで泣いてるの?神が決めたことだから仕方がないよ。」
と一人の看護師が言った。
「そうじゃない、子どもを助けたいって思わないの?」
と尋ねると、
「それは難しい質問だね、私たちはお金のために働いているから。」
そうか。それも彼女たちの大切な価値観だな。
生きるのに苦労したことがない日本人には、
きっと分からないことがあるのだろう。
でも、自分がここにいる意味を見失った。

④楽

全ての小児病棟のローテーションが終わった時のこと。
どの病棟で残りの1年間を過ごすかは自分次第だった。
大学院の研究テーマが定まらず、1カ月間、決めきれずにいた。
その間、私は属性がなかった。
どこの部署にも属していない。
すごく「楽(らく)」だった。
そうすると、とんだ甘ったれな自分を見つけた。
“やること(研究)はやってるんだし、
行かなくてもバレないからいいや。”
属性がないというのは、
他人の目がないというのは、
こんなに人を怠惰・無責任にしてしまうのか。
本来ならば、両立すべきところ。
そんな自分にちょっと失望した。
そして何より、ちっとも楽しくなかった。
「らく」と「たのしい」はなんで同じ漢字なんだろう?
楽しいことをしたいなら、楽をしちゃだめ。
甲本ヒロトの名言を心に刻んだ。

<最後に一言>

私は頭が悪い。
要領も悪いし、詰めも甘い。
気分屋だし、ナマケモノ。
プライドが高いくせ、小心者。
おばけも怖いし、寂しがり屋。

だけど、
きれいごとって言われるかもだけど、
「目の前の子どもを助けたい」
「患者さんに寄り添いたい」
「現地の人を理解したい」
って気持ちは誰にも負けたくない。

時には、嘘つかれたり、だまされたり、
嫌な想いをすることもあるけど、
その時は必ず、その理由の背景を考えること。
価値観の多様性を認め、相手を尊重すること。

そう思っていると、いつも誰かが助けてくれる。
「しょうがねーなー、やってやるかー。」
って嫌々かもだけど、助けてくれる。笑

私は青年海外協力隊じゃなくて、
青年海外協力され隊なんじゃないかと思う。
それくらい、誰かしらにいつも助けられてる。

改めて、有難い。ありがとう。

 

 

「多田さんのことをもっと知りたい!」「在学中の聖路加国際大学院に興味がある!」って方はこちらもどうぞ⇒聖路加国際大学院 Interview

 

※協力隊インタビュー企画の趣旨はこちら。執筆ご協力してくれる方はご連絡ください!(現役・OV、JOCV・SV問いません!)

 

 

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