ルワンダに来る前に約1年間、『クラヴマガ』という護身術を習っていました。
しかし残念ながら、習得したワザを発揮する場面はやってこなさそうです。
『クラヴマガ』とは?
クラブマガなんて聞いた事もないって人が多いと思います。
クラヴマガは1940年代にイスラエル軍で開発された接近格闘術。
戦火の絶えないイスラエルには男女ともに兵役があり、女性兵士ですら短い訓練期間しか与えられない中、実戦に投入されてしまいます。
それゆえ、イスラエルの兵士は、性別や体格を問わず、誰でも短期間で実戦に耐えうる戦闘能力を身につける必要がありました。
そんな背景から開発されたのがクラヴマガ。
イスラエル国外でも、FBIやSWATなどの機関で採用され、また身近なところではドラマや映画の格闘シーンにもその技が登場します。
クラヴマガの特徴
クラヴマガの特徴は、
- 人間が本能的にもっている条件反射の動きを取り入れているため、覚えやすく、忘れにくい
- 性別や体格、運動能力に依存せず、誰にとってもとても効率よく身につけることができる
というものです。
いったん原則を身につければ、複雑な技術を覚えなくても、あらゆる危険に対応できる、大変シンプルなシステム。これがクラヴマガを、誰でも速習可能にしています。
またクラヴマガは、世界の優れた格闘技や武道の技術をたくさん取り入れています。しかし、それらとの決定的な違いは、ルールが全く無いストリートファイト(実戦)を想定していること。
格闘技や武道には必ずルールがあり、その中で勝ち負けを争いますが、クラヴマガにはルールも無ければ、勝ち負けもありません。
路上で相手に勝つ必要は無く、そこで起きうる危険から身を守り、安全に逃げることだけが、クラヴマガのゴール。シンプルで、誰にとっても身につけやすいこと。路上の危険に対して、実戦的であること。
これを追求した護身システムが、クラヴマガなのです。
なぜクラヴマガをはじめたのか?
ルワンダに行くことを決心した私は、「自分と奥さんくらいは守れる力を持たなくては」と思い、護身術を学ぶことにしました。
この時はルワンダも危険な国だと思っていた。そして奥さんどころか彼女もいなかった。今思えば、この時点で私は既に負けていたのかもしれない。
Googleで「護身術 最強」って検索して一番上に出てきたのがクラヴマガ。「Googleが最強って言ってんだから最強なんだろ」ってことで入会。
練習はめちゃめちゃキツかったけど楽しかったです。大人になって「力入ってねえぞオラー!!」とか言いながらしごかれることってなかなかないですよね。
かなりハマって、会社の昼休み中にタクシーで東京駅とジムのある六本木を往復して通ったことも。
どうせなら外国人慣れしたいと、積極的にでっかいブラジル人的な人とペアを組んで、ヒザ蹴りであばらを破壊されそうになったのは良い思い出です。
習っていたのは1年弱でしたが、基本的なテクニックを習得し、何より心と体が鍛えられました。
「これでルワンダへの準備はバッチリだぜ」
そう思っていました。
ルワンダで全く役にたってない
そもそも協力隊は「無抵抗主義」だった。
青年海外協力隊は任国に派遣される前に、70日間の泊まり込み研修があります。
語学をメインにボランティア活動で必要な知識や考え方を学ぶ場です。
そこで教わった衝撃の事実。
無抵抗主義。襲われても抵抗はしちゃいけないよってやつ。
ルワンダ行く前にクラヴマガ封じられた。
いや、全然戦いたいってわけじゃないんですよ。むしろ逆。何もなければそれで良い。
でも何でしょう。なんか損した気分ですよね。夏に向けてダイエットしたけど結局プールも海も行かなかったみたいな。
協力隊が終わった後で役に立つかな?
万が一のときや、協力隊の任期が終わってルワンダに戻って来たらきっと役に立つんでしょうか?
それもなさそうですね、、だってルワンダめっちゃ平和だもの。
殺傷事件どころか物を盗まれそうになったことも、ぼったくられそうになったことすらない。
カフェに充電器忘れて諦めてたら、次行った時に店員さんが来て「これ、この前忘れてたよ」って持ってきてくれて危うく「盗まないのかよっ!」ってツッコミそうになった。
そもそももう動き覚えてない(笑)
覚えた動き、ほぼ忘れました。
おい、2年前の俺。グローブしてドヤ顔で写真撮ってるけど、実戦の場はやってこないからな。
まったく無駄ではなかった(と思いたい)
まあ、やっててよかったって思えることもあるんですよ!
- 「クラブマガっていう、イスラエル軍が開発した護身術習ってたんだぜ」⇒「へー、すごーい」ってまあまあのリアクションをもらえる。
- 今回のブログのネタになった。
- 良い運動になった。
カラダ作りのクラスなどもあって、男性だけでなく女性も結構いました。気になる方は覗いてみて下さい。
護身術クラヴマガ専門ジムMagaGYM(マガジム)|六本木・赤坂