『ドリーム』感想・ネタバレ~「差別」がいかにバカらしく社会の損失になるか思い知らされる良作~

2017年9月30日最終更新

こんにちは、ルワンダ会計士ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

今回は日本で2017年9月29日(金)から公開している『ドリーム(原題:Hidden Figures)』の紹介と感想を書いていきます。

原題で『Hidden Figures』とある通り、この映画は「隠された人物たち」の物語です。

「隠された人物たち」とは誰か?
それはNASAで活躍した黒人女性たちです。

人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカで計画された有人宇宙飛行。
この計画を陰で支えた黒人女性の知られざる功績を描きます。

「女だから」
「黒人だから」

そんなくだらない理由による差別との闘い、彼女たちの功績にスポットをあてた作品です。

当記事では前半でネタバレなしの情報と感想を、後半ではネタバレありの感想を書いています。

『ドリーム(原題:Hidden Figures)』
ストーリー&キャスト情報

あらすじ

1961年、キャサリンは同僚で友人でもあるメアリー、ドロシーとともにNASAのラングレー研究所で計算手として働いていた。

ソ連の人工衛星打ち上げ成功を受け、アメリカでは有人宇宙飛行成功へのプレッシャーが強まる。
そんな中、キャサリンはスペース・タスク・グループでの作業を命じられた。

しかし女性・黒人というものへの差別的な意識が強く根付いており、キャサリンはその差別的な扱いに苦しむ。

ドロシーも現在の仕事に見合った地位を要求するも断られ、メアリーも工学の学位に興味を持つが黒人であるため学校に通うことができない。

『ドリーム』は、差別に苦しめられながらも、3人がどのようにそれぞれの道を切り開き、有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」に貢献したかを描くノンフィクションである。

キャスト・監督

監督・脚本は『ジーサンズ はじめての強盗』のセオドア・メルフィ。

  • タラジ・P・ヘンソン:キャサリン・ジョンソン
  • ジャネール・モネイ:メアリー・ジャクソン
  • オクタヴィア・スペンサー:ドロシー・ヴォーン
  • ケビン・コスナー:アル・ハリソン
  • キルスティン・ダンスト:ヴィヴィアン・ミッチェル
  • ジム・パーソンズ:ポール・スタフォード
  • グレン・パウエル:ジョン・ハーシェル・グレン
  • マハーシャラ・アリ:ジム・ジョンソン
  • ドナ・ビスコー:ジョイレット・コールマン 他

登場人物

キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)


画像出典:Hidden Figures Official Site

子どもの頃から天才的な数学の才能を持つ。

スペース・タスク・グループでの仕事を任されるが、根強く残る差別的な扱いに苦しむ。

演じるのは1970年生まれの女優、タラジ・P・ヘンソン。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のクイニー役としてアカデミー賞・助演女優賞にノミネートされた。

メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)


画像出典:Hidden Figures Official Site

キャサリンの同僚であり友人。
いいたいことははっきり言う性格。

職場での経験から本格的にエンジニアを目指そうとするも「黒人女性」という立場が邪魔をする。

演じるのはアメリカ生まれの歌手ジャネール・モネイ・ロビンソン。

ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)


画像出典:Hidden Figures Official Site

計算手の女性たちをまとめるリーダーで、部下思い。
しかし自分が黒人女性ということで、仕事内容に応じた立場にさせてもらえないことに不満を抱いている。

演じるのは主演のタラジと同年代、アメリカ生まれのオクタヴィア・スペンサー。
『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』で、アカデミー助演女優賞などの受賞経験がある。

アル・ハリソン(ケビン・コスナー)


画像出典:Hidden Figures Official Site

キャサリンの配属されるスペース・タスク・グループのトップ。

演じるのはケビン・コスナー。
『アンタッチャブル』『フィールド・オブ・ドリームス』などに出演する俳優であり、また同時に映画監督でもある。

作品情報・見どころ

原作は同名小説『Hidden Figures』

『ドリーム』(原題:Hidden Figures)は、マーゴット・リー・シェタリーによる2016年発売の同名小説が原作になっています。

  • 上映時間 127分
  • 公開 2016年12月25日(アメリカ限定公開)
  • 日本公開は2017年9月予定

強く残る黒人差別の意識

長く奴隷として働かされてきた歴史を持つアフリカ系の人々。

1862年、当時アメリカ大統領だったエイブラハム・リンカーンにより奴隷解放宣言が行われ、奴隷制は禁止されます。
しかしその後も黒人への差別が法レベルで行われ続けました

リンカーンによる奴隷解放宣言の約100年後、物語の舞台である1961年のアメリカでは、まだ黒人への差別意識が色濃く残っていました。
実際に1961年は、「フリーダム・ライド」が行われた年であることからもそのことがわかります。

フリーダム・ライド

公共交通機関の人種差別を撤廃させるために行われた、非暴力不服従運動。
10人あまりの黒人と白人のグループが南部行きの長距離バスに一緒に乗り込み、人種による座席の区別を公然と破ったことから始まった運動です。

参考:フリーダム・ライダーズ 人種隔離バスへの抵抗

作品内においても、キャサリンたちを含む黒人たちが差別的な扱いを受けるシーンが多く登場します。

埋もれた才能が見いだされていく

黒人差別だけでなく、「男尊女卑」を感じさせる場面もありました。
NASAでも重要な会議に参加できるのは男性だけ。

「黒人」そして「女性」。
それだけで不利な扱いを受ける主人公キャサリン、そして友人のメアリーとドロシー。

そんな彼女たちが、「Hidden Figures(知られていなかった人物たち)」として映画に登場することになるまでの活躍を見せるまでの軌跡を描いた作品です。

観た後はほっこり!日本公開は2017年9月29日(金)

ルワンダに住む私としては、黒人差別の様子を見るのは演技とはいえ少し苦しい部分がありました。

ただ、明らかな暴力シーンなどはないので観ているだけでひどく不快になる、といった類の作品ではありません。
むしろ、彼女たちが道を切り開いていく姿にこちらもパワーをもらうことができます。

観た後もすがすがしい気持ちになる、とても良い映画でした。

日本での公開は2017年9月29日(金)です。

公開後のTwitterの声

ついに日本でも公開しました!

Twitterでは「感動した」「胸が熱くなった」と良い評価が目立ちますね。

最新情報を随時更新

当ブログでは、『ドリーム』の詳細な公開日時やニュースなどを随時更新してお届けします。

予告編(英語音声・日本語字幕)

 

ここから先は、ネタバレありの感想になります。

感想(ネタバレ要素あり)

「変える」というのは「はじめての人になる」覚悟

エンジニアになるために工学の学位を必要としていたメアリー。
しかしその学位を獲得するための学校へ黒人女性が通うことは許されませんでした。

そこで裁判所へ通学の許可を申請します。

はじめは却下されそうな雰囲気になってしまいますが、メアリーの言葉に判事は心を動かされ夜間での通学を許可されることとなります。

「物事がはじまるには必ずはじめてそれをやる人が必要になります。わたしがはじめての黒人女性エンジニアになるわ。判事、今日あなたがさばく事例にはじめてを作るものは他にありますか?」

何かを変える必要があるとき、そこには様々な方法があります。

しかし少なくとも自分で何かを変えたいと願う以上、自分がその道を切り開くという覚悟がそれを可能にさせるのだと感じました。

ドロシーが理想の上司だった


画像出典:Hidden Figures Official Site

ドロシー、かなりいい役でしたね。

主張することはするし、不遇な扱いに不満を覚えはするけどそれを仕事のパフォーマンスには影響させない。
しっかりと割り切っています。

一方で、部下たちを守ることに関しては上が相手でも決して譲らない。

まさに理想の上司といった感じでした。

邦題について:アポロの話ではない(※追記あり)

原題は『Hidden Figures』の本作品、邦題は『ドリーム』とつけられています。

作品の内容を知っている人は「?」ですよね。

なぜなら作品中で描かれているのは「マーキュリー計画」における活躍であって、アポロ計画については最後にちょっと触れられたレベル。

なぜ「アポロ計画」というタイトルにしたのでしょうか?

より知られているためキャッチ―だと考えたのか、なにか思惑が働いたのでしょう。

実際に私が感じたように邦題へ疑問を感じた人もいるようで、せっかくの素敵な作品なので余計なところに注目が集まって作品自体の評価がゆがんでしまわないか少し心配です。

追記:邦題について
当初、本作の邦題は『ドリーム 私たちのアポロ計画』でした。

しかしここにも書いた通り疑問を感じた人が多く、批判が寄せられたため『ドリーム』に変更されました。

まとめ

ルワンダで働いていても感じることですが、生きるべき才能が埋もれてしまっているというのが一番もったいないですね。
ましてやその理由が差別であるなんて言語道断です。

力のある人がしっかり場所を見つけて、その才能を発揮することができる社会に、もっともっとなっていけば良いなと国際協力魂にも火のつく映画でした。

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