更新:2017年7月1日
私の家には女性のお手伝いさんがいるのですが、妊娠してお腹が大きくなってきています。
「休んでいる間も給料は出すから休んで」と言っても「この仕事はハードだからやらなくても良いよ」と言っても「運動になるから大丈夫」と今まで通り働いてくれます。
最初はそういうものなのかな?と納得していましたがお腹が大きくなるにつれ知識のない私は不安になってきました。
そこで今回は、妊娠しているけど知識がない女性、そして私のように妊娠している人の側にいるアナタのために、妊娠したらやってはいけないことと心がけたいことをまとめました。
この記事は助産師・隈部千里さんに監修してもらったものですが、特定の意見を推奨したり、効果を保証するものではありません。
目次
やってはいけないこと①身体を冷やす
妊婦さんの身体は冷えやすい
以下のような原因により、妊婦さんの身体は冷えやすくなっています。
- ストレスによる自律神経の乱れ
- 姿勢の変化による血行不良
- 運動不足による筋肉量の低下⇒血行不良
- 女性ホルモンの乱れ
- 環境要因(クーラーの効いた部屋など)
母体への悪影響
冷えると、まず母体への悪影響が発生してしまいます。
- 妊娠初期のつわりがひどくなる
- お腹が張りやすくなる
- 腰痛や便秘になりやすくなる
- 足がむくむ、つりやすくなる
- 流産の危険性
出産時の影響
出産においても以下のようなおそれがあります。
- 早産の危険性
お腹を冷やすことで血流が減少し、その分胎児へ届く栄養が減ってしまい、早産になるおそれがあります。
- 逆子になるリスク
子宮が冷えていると赤ちゃんは温かい所を探して動き回り、逆子になるリスクも高くなります。
やってはいけないこと②重いものを持つ
早産のリスク
重いものをもつことでお腹が張りやすくなり、早産になる恐れがあります。
また、妊娠初期に胎盤に強い腹圧が頻繁にかかると、出血や流産のリスクが高まります。
どのくらいの重さなら大丈夫?
妊娠中期は、重い物を持つのは、できるだけ避けるようにします。ただ、自分で「重くない」と感じるものであれば、5キロ〜10キロ程度の物を持っても大丈夫です。反対に、周りが大丈夫だと感じていても、本人が「重い」と感じるものは、無理せず、持たないようにしてください。目安としては、一般的に「女性が重いと感じる」20キロを越えないことです。20キロ以上の物を運ぶと、身体に負担が掛かるほか、転びやすくなるなど、怪我のリスクが大きくなります。
やってはいけないこと③タバコ・お酒
タバコは低体重のおそれ
喫煙は血管の収縮を引き起こします。
母体の血液循環が悪くなることで、必要な酸素が胎児に行き届かず低体重や先天性の異常が発生するリスクが高まります。
飲酒も出来るだけ避けたい!
胎児の身体が作られる5週目以降は、飲酒の頻度や飲酒量が多いと奇形になったり、胎児性アルコール症候群のおそれがあります。
胎児性アルコール症候群
アルコールの影響で胎児の発育が遅れる、脳の発育が不十分で言語や学習に障害を持って産まれるなどの症状。
少量のアルコールなら影響はほとんどないとされていますが、明確な基準はないため飲まないことがよっぽどストレスにでもならないかぎりお酒は控えた方が良いでしょう。
少量のアルコールはむしろリラックス効果があるという意見もあります。個体差もあるためかかりつけの産婦人科医と相談しましょう。
やってはいけないこと④ストレスをためる
妊婦さんはストレスが溜まる
まずは、妊婦さんがどんなことでストレスを感じることから知りましょう。
- 出産、育児への不安
ホルモンバランスの乱れも手伝って、出産や育児への不安が募りストレスにつながります。
- 思い通りにならない生活
お腹が大きくなることで、今まで通りに動けない場面が増えてきます。
また、今まで見てきた通り気を付けなければならないことが増えるためストレス増大の要因となります。
- 心無い人のいやがらせ、暴言
非常に残念な事ですが、電車で妊婦さんに対して「妊婦が通勤電車に乗るな」などの暴言をはいたりいやがらせをしたというニュースをたまに見ます。
職場や日常での理解のない人たちによる言動で確実に妊婦さんのストレスは増すでしょう。
胎児への影響
母体への慢性的なストレスは脳の発達障害や喘息、アレルギーのリスクがあるとされています。
ストレスによってコルチゾールという副腎皮質ホルモンが母体で過剰に分泌され、胎盤を通して胎児に届いてしまうためで、情緒不安定やうつ、ADHD(注意欠陥障害)になる原因の一つとされています。また、ストレスの多い妊婦さんの子供は、喘息やアレルギーを患う可能性が高いという報告も出ています。
やってはいけないこと⑤注意すべき食べ物
妊娠中は避けたい食べ物
● 刺身や貝類など、食中毒のおそれがあるもの
● 殺菌されていない乳製品や生卵など、サルモネラ菌発生の可能性があるもの
● 生肉や生ハムなど、トキソプラズマに感染するおそれがあるもの妊娠中は食べる量に気をつけたい食べ物
● カップラーメンやインスタント食品など、添加物、保存料が含まれているもの
● まぐろやカジキなど、水銀が含まれているもの
● うなぎやレバーなど、ビタミンAが豊富に含まれているもの
● コーヒーや紅茶など、カフェイン飲料
● ひじきやわかめなど、ヨウ素が含まれているもの特に生ものにはしっかり火を通すようにし、食中毒などの病気に気をつけてください。一見よさそうなビタミンAも過剰摂取すると、胎児の先天異常につながる可能性があります。
より詳しい情報は以下のページで見る事ができます。
やってはいけないこと⑥猫に触る
猫にはトキソプラズマが寄生していることがあります。
トキソプラズマは猫から人に感染する寄生虫で、健康な大人が感染しても無症状もしくは風邪のような症状が数週間程度出るだけです。
しかし、妊娠中にトキソプラズマ症に初めて感染すると、胎児が「先天性トキソプラズマ症」を発症することがあります。妊娠中に感染すると、妊娠初期の場合は発症可能性は低くなりますが流産など症状が重くなります。妊娠中期、後期と進むにつれて発症可能性が高まるものの症状は軽くなるという特徴があります。ただ赤ちゃんの体にはなんらかの障害を残す危険性があるので、妊婦さんは猫に注意したほうがよいといわれています
やってはいけないこと⑦運動不足
冒頭で触れた「運動」。
妊婦さんは運動をしても大丈夫なのでしょうか?
個人差もあるためお医者さんと相談を!
過度な運動は避けた方が良いものの、あまり運動不足でも体力が落ちてしまいます。
運動に関しては個人差や状況による対処の仕方(お腹が張っている時は運動しない方がよい 等)があり、安静にしていたから絶対に良い、少し運動したから難産にならない、という風に言い切ることは出来ないようです。
お医者さんと相談しながら適切な対応をしましょう。
やったほうが良いこと:体重・栄養管理をしっかり
体重の管理は、妊婦さんにとってとても重要なことです。
肥満や妊娠中の体重増加が過多だと以下のようなリスクがあります。
- 妊娠高血圧症候群
- 妊娠糖尿病
- 微弱陣痛
また逆に、やせすぎや妊娠中の体重増加の不十分によっても以下のような症状が出てしまう恐れが。
- 子宮内胎児発育遅延(IUGR)
- 低出生体重児
近年の過度なダイエット志向により、低出生体重児は増加傾向にあります。
胎児期に低栄養状態にさらされたIUGR児は生活習慣病の素因がつくられ、将来メタボリックシンドロームになりやすくなってしまいます。
一人一人妊娠中に必要な体重増加量は異なります。
妊娠初期に助産師によって個々の妊婦に必要な体重増加について指導されるので、それをしっかり守ることが大切。
また、妊婦が食べた食べ物はそのまま胎児に届くことを意識し、身体に良いバランスのとれた食事を心がけましょう。
少し詳しく、妊娠時期ごとの栄養摂取方法を紹介していきます。
妊娠前~妊娠7週は葉酸がとくに大事!
この時期、お腹の赤ちゃんの発育に欠かせないのが葉酸。
葉酸不足によって二分脊椎などの神経管閉鎖障害のリスクがあります。
妊娠を計画している女性は0.4mg/日の摂取を心がけましょう。
葉酸はトリレバー、ほうれん草、アボカド、イチゴなどに含まれています。
ビタミンB12と協調して造血作用に対して働くため、葉酸摂取により貧血予防にもなる。よって、7週以降も葉酸摂取は大切です。
とは言っても、つわりや体調の変化で思うように栄養を摂れないときもありますよね。
そんなときにおすすめなのが葉酸サプリ。
葉酸サプリなら妊娠中に必要な栄養をカンタンに摂ることができます。
「サプリ」と聞くと人工物のイメージがあって抵抗があるかもしれません。
でも、今はちゃんと産婦人科医の方が監修しているサプリも多く出ているんです。
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妊娠初期(15週くらいまで)
この時期は母体からの栄養をあまり必要せず児は成長できるため、つわりのなか無理して食べる必要はありません。
脱水予防のために水分摂取だけ心がけましょう。
妊娠中期
15週までに胎盤が形成され、母体の栄養(血液)が直接胎児に届くようになります。
血液需要が増えるため鉄分摂取と胎児の骨格・筋肉増加のためのカルシウム、プロテインをしっかり摂取しましょう。
妊娠中期は特に貧血になりやすい時期です。
鉄分が不足しているときは、鉄剤やサプリメントで補充することが効果的ですが、鉄分と一緒にビタミンCも摂取すると鉄の吸収が促進されます。
ビタミンB12と葉酸が協調して造血作用に対して働きます。
つわりがおさまり急激に体重が増えるため、体重管理もしっかりと。
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後期
胎児が大きくなり、胃が圧迫されるようになり、胃もたれがおこりやすくなります。
なので、少量摂取で食事の回数を増やすように心がけましょう。
「正しい知識」と「思いやり」を持とう
妊娠している方は、産まれてくる赤ちゃんのために。
そして周りの人は妊婦さんのために。
正しい知識と思いやりを持って、新しい命の誕生を優しく支えましょう。
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