※2017年8月31日最終更新
今回は、妊婦さんの抱えるマイナートラブルとその対処法について紹介します。
当記事は寄稿記事です
この記事は助産師・隈部千里さんに執筆及び監修してもらったものですが、特定の意見を推奨したり、効果を保証するものではありません。
マイナートラブルとは
「マイナートラブル」とは妊娠に伴う身体の変化がもたらす不快症状のことを言います。
日常生活の行動や食事で症状を軽減することはできますが、症状をゼロにするのは難しいのが現状。
目にみえない症状も多くあり、また医学的に大きな問題とならないため、周囲からの理解が得られにくいんですよね。
でも妊婦さんにとっては身体的にも精神的にも苦しいもので、周囲の理解と助けが必要になってくる部分になります。
そこで今回は、そんな妊婦さんの悩みの種となる「マイナートラブル」の原因と対処法を1つ1つ紹介していきたいと思います。
つわり(妊娠悪阻)
症状・特徴
つわりは、妊婦さんの5~6割に起こる症状。
妊娠5~6週頃から症状が出はじめ、16週ころには消失することが多いです。
主な症状は以下の通り。
- 吐き気
- 嘔吐
- 食欲不振
原因
妊娠時の症状としてよく知られているつわりですが、実はその原因ははっきりわかっていません。
現状では、妊娠に伴うホルモンの変化や精神的変化が関与していると考えられているようです。
対処法
つわりへの対処法は、無理して食べようとしないことです。
妊娠初期は食事摂取がんばらなくても赤ちゃんは十分に育ちます。
食べたいものを食べたい時に食べるようにしましょう。
胸焼け
症状・特徴
胸がやけるような感覚、胃酸の逆流、あくびなどの症状が出る妊婦さんもいます。
つわりとは異なり、全妊娠期を通じて起こりうる症状です。
さらに妊娠末期は子宮が大きくなり、胃を圧迫するために食欲不振や食後のもたれが出現する傾向があります。
原因
プロゲステロン増加によって、胃と食道の間の筋肉が緩むことで胃腸の動きが鈍くなり、胃の内容物や胃液が食道へ逆流するために起こります。
プロゲステロンとは
ステロイドホルモンのこと。
妊娠の維持、妊娠中の排卵抑制、乳汁分泌の準備(妊娠中は分泌抑制している)の役割を担っている。
対処法
胸やけを防ぐカギは、姿勢と運動にあります。
胃酸が逆流しないように頭を持ち上げ、半座位で過ごすようにしましょう。
また、胃腸の運動を高めるために適度な運動を行うのもおすすめです。(例:妊婦体操、ヨガなど)
食事については、胃腸に負担のかからない食事、食行動をとるように心がけましょう。
油・冷たいもの・コーヒー・香辛料などの刺激物を避け、消化の良いものを摂ると良いです。
また1回の食事の量を減らして食事の回数を増やす、ゆっくりよく噛む、など胃腸の負担にならない食べ方も有効です。
便秘
症状・特徴
便秘が起こり、残便感・食欲減退・膨満感に悩まされる妊婦さんも多いんです。
便の回数は個人差があるので4~5日でなくても規則性があって苦痛がないのであれば問題ありません。
原因
便秘の原因は、1つにはつわりで食事量や水分摂取量が減ることが挙げられます。
また、大きくなった子宮が腸を圧迫したり、妊娠で運動不足になったりする上に、プロゲステロンの作用で腸の動きが鈍るために起こります。
対処法
食事内容を工夫しましょう。
【例】
- 食物繊維の多い食事を心がける
- 水分を十分にとる
- 起床時すぐに乳製品を摂取する など
また、適度な運動(妊婦体操など)と精神的にリラックスして消化機能を高めることも大切です。
それでも便秘が改善しないときは、医師・助産師に相談して薬を処方してもらうと良いでしょう。
妊婦さんに禁忌な下剤があるので自分で判断して内服しないでください。
頻尿
症状・特徴
妊娠初期と後期によく起こるのが頻尿です。
原因
頻尿は、妊娠10~15週ころには子宮が 、妊娠後期には下降した児頭が膀胱を圧迫するために起こりやすくなります。
またエストロゲンの作用で筋肉の働きが鈍り、尿漏れを起こすこともあります。
対処法
尿漏れ防止のためにケーゲル体操をするのがおすすめ。
ケーゲル体操とは
ケーゲル体操は、骨盤の底にある筋肉(骨盤底筋)を締めたり、緩めてコントロールしながら行う体操のことです。
妊娠中や産後の尿漏れに効果があると言われています。
詳しいやり方などはこちらのサイトをご参照ください⇒ケーゲル体操・骨盤底筋体操とは? | mamari
妊娠中期でお腹が大きくなってきたら、仰向け以外の姿勢でやるようにしましょう。(仰臥位低血圧症候群予防のため)
また就寝2−3時間前は水分摂取は控えるなど、水分量の調整も有効です。
ただし、水分摂取の控えすぎはよくないので注意が必要です。
尿意を我慢していると細菌が繁殖しやすくなり膀胱炎のリスクとなります。
腰・背部痛
症状・特徴
腰や背部の痛みは、妊娠各期を通して約半数の妊婦に起こります。
原因
増量するエストロゲンによって筋肉・靭帯結合織が緩んで腰や背中を支える力が低下するため痛みが起こります。
また、腹部が大きくなるにつれて身体のバランスを保つために重心は前方に移動し、両肩をそらし背骨の内側へ湾曲が増すことで腰に負担がかかるのも原因となります。
対処法
以下のような、腰に負担をかけない生活を心がけましょう。
- 正しい姿勢
- 長時間の歩行
- 同じ姿勢はとらない
- 休息時は横向きになってクッションを足に挟んでシムス位をとる など
また、靴底3cmくらい高い安定したヒールをはく、固めの布団を使うなども有効です。
妊婦体操(四つん這いになって、腰をゆっくり上下に動かす運動)をして、腰・背部の筋肉を鍛えることでも予防することができます。
入浴や温罨法で腰をあたため疼痛緩和をはかるのも効果的。
浮腫(むくみ)
症状・特徴
「浮腫」とはむくみのことです。
主な症状は以下の通り。
- 下肢がだるい
- 靴が履きにくい
- 手が握りにくい
- 指輪がとれない
- 顔がパンパンになる
原因
妊娠により体内の血液量が増え、 30~32週で最大となります。
また、エストロゲンやアルドステロンの増加によって、ナトリウムや水分の再吸収率が増して、体内に水分が貯留して浮腫をきたしやすいのです。
対処法
長時間の歩行や同じ姿勢は避けるようにしましょう。
就寝時は下肢を高くして寝るとむくみ緩和になります。
静脈瘤
症状・特徴
症状は淡青色の色素沈着、痛み。
膝の裏、外陰部、肛門、太もも、ふくらはぎに起こります。
原因
子宮への循環血液量が増え、また大きくなった子宮が腹部の大静脈を圧迫することで、下肢からの血液還流を妨げてうっ血させます。
さらに、妊娠によるプロゲステロンの増加によって静脈菅壁の緊張を低下させ静脈が拡張するため静脈瘤が生じるのです。
末期になるほど子宮が大きくなるため悪化する傾向にあります。
対処法
以下の様な方法で血液循環を促すのが効果的です。(とくに静脈還流)
- 足を高くして横になる
- 締め付ける腹帯・コルセットを避ける
- 妊婦体操(下肢を動かして血行を促進する)
- 急激な体重増加を避ける
また、カルシウムやビタミンCを多く摂取するようにしましょう。
特におすすめなのが、弾性ストッキングの着用。
血流循環を促し、症状をラクにします。
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下肢の痙攣(こむらがえり)
症状・特徴
下肢に起こる痙攣性の筋肉収縮で突然痛みを伴います。
原因
増大した子宮の圧迫のために重心の変化が起き、それに伴い無理な姿勢をとり、筋肉が疲労することや、血液循環の悪化、およびカルシウム不足によって起こります。
疲労時に急に筋肉を伸展すると生じやすいです。
対処法
カルシウムやビタミンDを多く摂取するよう心がけましょう。
また、下肢の血液循環を促す事も有効です。)長時間歩行しない、就寝時足を高くして寝る。妊婦体操する。)など
葉酸サプリでマイナートラブルを防ぎましょう
ここまで見たきたように、便秘や静脈瘤、こむら返りなど、妊娠マイナートラブルの多くは必要な栄養が不足していることが原因となっています。
そのため、食事を意識してしっかり栄養を取ることが大切。
とは言っても、つわりや体調の変化で思うように栄養を摂れないときもありますよね。
そんなときにおすすめなのが葉酸サプリ。
葉酸サプリなら妊娠中に必要な栄養をカンタンに摂ることができます。
「サプリ」と聞くと人工物のイメージがあって抵抗があるかもしれません。
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