協力隊-活動

【青年海外協力隊】第1号報告書を公開!

青年海外協力隊は2年間の間に5回、報告書を提出する必要があります。

最初となる第1号報告書は赴任後3か月にあたる今月になります。

一般公開情報なのですが、市ヶ谷にあるJICA地球ひろばに行く必要があるなど情報へのアクセスが容易ではないのでブログでも公開します。

報告書要約

配属先であるムウォゴセクター事務所は、ブゲセラ郡に属しその中心地ニャマタから車で約20分の場所に位置する。当セクターはさらにセクターより一つ下位の地域単位である4つのセルから成る。セルごとに小さな集落があり、最低限の生活をするための食料と道具であれば、集落内の店と毎週木曜日に開催されるマーケット(イソコと呼ばれる)で調達可能である。しかし、バランスの取れた食事などの健康な生活を送る為の食料・物資調達や、商業活動はムウォゴセクター内では完結せず、中心地ニャマタまで出向く必要がある。
ここムウォゴでの生活は、このように地理的なハンディキャップがあり、また衛生面など解決すべき問題はあるものの、温厚で真面目な人間の多いルワンダ人といるとそんな悪環境を忘れてしまうような平和で過ごしやすい地域である。

コーペラティブ訪問によるヒアリング等により、「記帳を適切に行っていない」「ビジネス展開に必要な資金の調達手段がない」などいくつかの問題を抱えていることが明らかになってきた。
当該諸問題を解決するために現在①簿記のワークショップ及び②新ビジネス構築によりムウォゴセクターに資金が流入し、かつ自分たちの頭で収入向上の取り組みを行うことが出来る体制を構築中。①についてはカウンターパート・エグゼクティブと概ねの方針まで合意済みである。②は構築初期段階。当面はこの2つの活動を柱とすることにより、当初の配属先のニーズであるコーペラティブの組織運営と、活動の中で浮かび上がってきたビジネスの拡大及び新ビジネスの構築という新たなニーズに応えていく予定である。

JICAへの要望:出来るだけ現地でじっくり活動するためにも、頻繁に首都キガリに行く機会を減らした方が良いと考えている。特に報告会は報告者とJICAスタッフのみで実施するので充分ではないか。

1.地域及び配属先の概要

(1) 活動地域概要・抱える問題
配属先であるムウォゴセクター事務所は、ブゲセラ郡に属しその中心地ニャマタから車で約20分の場所に位置する。当セクターはさらにセクターより一つ下位の地域単位である4つのセルから成る。セルごとに小さな集落があり、最低限の生活をするための食料と道具であれば、集落内の店と毎週木曜日に開催されるマーケット(イソコと呼ばれる)で調達可能である。しかし、バランスの取れた食事などの健康な生活を送る為の食料・物資調達や、商業活動はムウォゴセクター内では完結せず、中心地ニャマタまで出向く必要がある。この地理的なハンディキャップにより、ムウォゴセクターは商業活動において税金支払いにも高い交通費を強いられたり、ビジネスの拡大が困難である等の問題を抱えている。

(2) 配属先の事業内容・組織体制
エグゼクティブの直下に10の部門と秘書・経理など4つの補助部門があり、それぞれが上位組織であるブゲセラ郡からのイミヒゴと呼ばれる目標に基づき業務を行っている。

(3) 配属先の援助受け入れ実績
なし。

2.ボランティアが所属する部局の概要

(1) ボランティアが所属する部局の事業内容及び課題
形式上、特定の部局に配属されているわけではない。カウンターパートがコーペラティブ・ビジネス振興担当であり、ともにコーペラティブを訪問し情報更新・課題発見を行っているので、実質上はコーペラティブ・ビジネス振興の配属と言える。具体的には、各コーペラティブにつき主に以下の様な事を行っている。
① 人数・出資金額等、基本情報のアップデート
② コーペラティブが抱える問題点のヒアリング
③ 議事録や帳簿などの閲覧による管理状況の確認
現時点で発見された課題は以下のとおりである。
・融資を受けるのが容易ではなく事業拡大のチャンスを逃している
・帳簿を適切に管理していないため、具体的なビジネス上の問題点・とるべき戦略が明確になっていない
・地理的制約により事業の展開が困難である

(2) 同僚の人数及び技術レベル
同僚はカウンターパート1人。以前はアカウンタント業務を行っていたため多少の会計リテラシーはあり、またその重要性も理解している。ただし、与えられたな作業を淡々とこなすのみであり地域の収入向上に必要なビジネス感覚やクリエイティビティは不足している印象。

3.配属先のニーズ

(1) ボランティアに対して期待している内容
コーペラティブ担当と共に活動をする中で、組織運営面での改善や収入向上につながる活動を行う事。

(2) 当初要請時のニーズからの変更点
当初要請は、
① コーペラティブを訪問しその情報を更新する。
② コーペラティブを選出し、他のコーペラティブのモデルとなりうる組織作りをする。
③ 支援コーペラティブの定期的なモニタリングやフォローアップを行う。
といったものである。

情報の更新自体はカウンターパートが行うためボランティアには期待されていない。
配属先はボランティアが何のために来ているのか明確に把握しておらず、カウンターパートと共に行動し、同様の業務をする事以外は求められていなかった。活動を進めていくと、実際にはそれだけでなくビジネスの拡大や新規ビジネスの構築による収入改善の期待も強く感じられるようになった。
実際にイミヒゴと呼ばれる当セクターが達成すべき年度目標にも、「新市場の創出及び発展の促進を行う」と言った記載があり、イミヒゴ達成を優先課題と捉える組織の方針とも整合する。

4.活動計画準備状況

どのコーペラティブをメインで支援するかという視点で各コーペラティブ訪問・調査を行っている。具体的にはビジネス内容、人数、資金状況、問題点把握を資料の閲覧とヒアリングにより実施している。解決すべき問題点の一つが、多くのコーペラティブが適切に記帳を行っておらず、具体的な問題点や可能性が数字ともに見えてこないことである。結果として現状の調査は彼らの主観や思い込みが入り込む余地のあるヒアリングに頼る部分があまりにも大きくなってしまっている。そのため、まずは簿記のワークショップを全コーペラティブ訪問後に行う所までカウンターパート及び事務所エグゼクティブに相談し、了承を得た。これにより数値に基づくより具体的な問題点等が発見されることを期待している。
その先にやるべき支援内容については、引き続き行う予定であるコーペラティブの訪問及び簿記のワークショップ後のフォローアップ等で新たに見えてくるであろう課題を見て決定する予定である。
また、同時進行で既存コーペラティブが機動的にビジネスを展開するための資金を産み出す新ビジネスを構築中であり、その実現可能性や解決すべき問題についてエグゼクティブと協議中。

5.受け入れ国の印象

(1) 生活環境
安全で健康な生活を送るための条件が満たされていないことが多い。何日も同じボロボロの服を着て遊ぶ子供や使いまわしのボトルでビールを飲む大人など衛生面での問題が多々見られる。近くの水くみ場から水を汲んでいる姿も良く見られ、きれいな水の確保も難しい。話を聞くとこれらの問題点は認識しているが、金銭的な理由により改善まで至っていない。

(2) 現地人の性格
(1)に記載の通り生活環境は決して良好とは言えない。しかし村人たちは明るく社交的、子供たちもいつも元気に外で走り回ったりボール遊びをしており村全体の雰囲気は良い。
ビジネスシーンでは真面目で温厚な人が多い印象。与えられた仕事は真面目にきっちり終わらせるが、求められた以上の事を自分の頭を使ってやるといったシーンはほとんど見られない。(私の配属先が役所であり仕事の性質上そうであるという可能性もあるので、これがルワンダ人の特色かはまだ判断に迷っているところである)
治安も良く何か困ったことがあれば親身になって助けてくれるため、外国人ボランティアが一人で住むにも特段大きな問題を抱えることはない。

JICAへの要望・提案

提案:中間報告会及び最終報告会は発表隊員以外が参加する必要はない。まず、私が考える他の隊員が参加することの主なメリットとデメリットを挙げる。
【メリット】
・他の隊員の活動を知ることで自身の活動に対するヒントを得る事が出来る。
・プレゼンテーションの経験を詰むことが出来る。
【デメリット】
・全体へのプレゼンテーションを意識する事で、本来の目的であるJICAへの報告とはベクトルがずれてしまう恐れがある。
・自分で考え抜く前に他人の活動を見てしまう事で、影響されて活動が似たり寄ったりになる可能性がある。
・任地を離れる機会が増えてしまう。

デメリットがメリットを上回るように感じている。また、メリットに挙げられた項目は報告会でなくても補完が十分に可能である。参加は任意であるとはいえ実際はほとんどの隊員が参加しているようなので、この際はじめから発表隊員のみ参加にしてしまって良いのではないか。

以上

 

 

 

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