読書

【おすすめマンガ】『東京喰種』は人間と喰種の間で悩む金木くんを通じて「正義とは?」を考えることのできる名作

こんにちは、アフリカ在住ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

突然ですが、死んでほしいほど憎い相手はいますか?

「あいつなんか死んでしまえ!」
・・・
そう感じてしまったことがある方に読んで欲しいマンガがあります。

それは『東京喰種』です。

東京喰種(トーキョー グール)とは

『東京喰種』は週刊ヤングジャンプで連載されていた石田スイさんによるマンガです。

現在はその続編である『東京喰種:re』が同じくヤングジャンプで連載中。

あらすじ

読書好きの平凡な大学生・金木研(かねき けん)。

彼はある日カフェで知り合った同じく読書好きの女性・神代 利世(かみしろ りぜ)とデートをすることになります。

しかし、リゼの正体は人間社会に潜み込み人を捕食する喰種(グール)でした。

正体を現したリゼが金木に襲い掛かろうとした瞬間、
頭上より鉄骨が落下してきてリゼは死亡。金木は重傷を負ってしまいます。

医師の判断で金木はリゼより腎臓の移植を受けたことで一命はとりとめるも、
金木の身体は喰種の特性を持ってしまいました。

半人間・半グールとして生きる少年の戦いと苦悩を描いた作品です。

喰種になってしまった苦しみ

喰種は人間の食べ物を食べることができません。
味が非常にまずく感じるだけでなく、消化すると体調を崩してしまいます。

喰種がふつうに食べることができるのは人間だけなんですね。

そんな体に突然なってしまった主人公の金木くん。
しかし急に人間なんか食べられるはずもなく。
お腹が空いてひどい飢えが襲ってきます。

画像出典:『東京喰種』

この世ならざる飢えに苛まれながらも

その満たし方がわからない…

―いや…”ある”

ひとつだけ…きっと”そう”なんだろう…だけど…

それをしてしまったら僕は もうこれから…

ヒトとして生きられないかもしれない…でも…

もう他に どうしろって言うんだよ

引用:『東京喰種』1巻

人間・喰種それぞれの「正義」を知る

そんな金木くんの葛藤や他のキャラクター達を通じて、
私は協力隊仲間が書いていたこの記事を思い出しました。

自分を守れ。正義の反対は「またべつの正義」!デモ・ストライキが始まった – 腕まくりをして、アフリカの地に立つ!! 〜人生は夢ばかり〜

正義の反対は「またべつの正義」

東京喰種はまさにこの状況を描いています。

喰種を駆逐するヒト

画像出典:『東京喰種』

ヒトを食べる喰種は当然人間にとって脅威なので、
「喰種対策局」という対・喰種機関があります。

ここで働く人々は基本敵に「喰種=悪」として、
人々を守ることに全力。

当然です。
人間を食べる種をそのままにしておくことはできませんからね。

画像出典:『東京喰種』

彼らにとっては喰種は自分たちの存在を脅かす、
死んで当然の存在なんです。

ヒトを捕食する喰種

人間にとって放っておけないほどの脅威で、
確かに凶悪で粗暴な喰種が多いのも事実です。

しかし一方でヒトを殺すのが苦手だったり、
共存していきたいと願う喰種も。

でもそんな彼らもヒトを食べなければ生きていけないのです。
私たちがウシやブタを殺して食べるのと同じように。
というかそれ以上ですね。人以外では栄養が取れないのですから。

多くの喰種は彼らなりに悩み・考え、
自分たちで決めたルール、言うなれば正義のもとに生きています。

生命の尊さ

人間はもちろん、喰種の命もいたずらに奪って良いわけではありません。
あれだけ喰種を憎み恐れる人間の世界にも最低限の法律はあります。

「喰種 ( ぐーる ) “に対し、必要以上の痛みを与えることを禁ずる。」(喰種基本法第13条第2項)

いくら脅威であっても、
いたずらに痛めつけて良い命はないのです。

これって当たり前のようですが、例えば私の場合、
家にゴキブリが出たら「気持ち悪いから」という理由で躊躇なく殺します。

人間を捕食する種が現れたとなったら恐ろしさはゴキブリの比ではありません。
おそらく一刻も早い滅亡の祈るでしょう。

喰種にも「家族」や「仲間」がいる

しかし忘れてはいけないのが、
前述の通り喰種にも彼らなりの「正義」がある。

そして彼らにも私たちと同じように「家族」や「仲間」がいるということ。

例えば、子を守る母の気持ちは人間のそれとまったく変わりません。

画像出典:『東京喰種』

自分で人間を「狩る」ことができずにいたリョウコさんも、
喰種捜査官に見つかった時は自分が戦って娘を逃がそうとしました。

あなたが死んで欲しいと望む人は「死んでも良い悪」か?

もし今「死んで欲しい」と願う人がいたとします。

その人に「正義」はなく本当に「悪」なのでしょうか?
自分と違った形の「正義」を持っているかもしれません。

本当に「死んでもいいやつ」なのでしょうか?
その人の命だって尊いし、彼(彼女)が死んで悲しむ家族や仲間がたくさんいるはず。

『東京喰種』にあわせて今回は「死」や「殺す」という例をとりましたが、
これが「嫌い」とか「憎い」「ムカつく」でも考え方は変わりません。

よく「相手の立場になって考えろ」なんて言われますけど、
マイナスの感情に包まれてしまった時にそんな余裕はなかなかありませんよね。

そんな時でもせめてこの2つのことを考えることができれば、
少しは違う結果が待っているのではないでしょうか。

  • 相手にも「正義」があるのではないか?
  • 自分がやろうとしていることで罪のない人が悲しまないか?

半人間・半グールになってしまった主人公・金木くんを通して、
自分の生き方や考え方を再度考え直す良いきっかけになる作品です。

 

つきにおススメ!

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