『寿限無』いちばん有名な落語!?あらすじと解説

こんにちは、アフリカ在住ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

今回は落語『寿限無』の紹介をします。

むかし覚えた方、まだ寿限無言えますかね?

あらすじ

親子の愛情というのはたいへんなもので、どんなかたちでも、わが子のこととなると夢中でさわいでおります。

女房
今日はこの子が生まれて7日の七夜だよ。

お七夜といえば、きょうは名前をつける日なんだよ。

どうもおまえさんじゃあいい名前がつけられそうにないから、お寺へ行って和尚さんにつけてもらうといいよ。

熊さん
それじゃあ、ひとつあのでこぼこ坊主につけてもらうとするか。

いってくるぜ…

こうして旦那はお寺へ行き、男の子に長生きするような縁起の良い名前をつけて欲しいと頼みます。

和尚
どうじゃな、鶴は千年の齢をたもつといってめでたい鳥じゃが、それにあやかって、鶴太郎、鶴吉などというのは?
熊さん
そりゃあいけねえや。千年と年限を切られちゃあ千年経つと死んじまわあ、そりゃつまらねえ。

もっと長いのはありませんか。

和尚
では、亀は万年などというから、亀之助、亀助などは?
熊さん
いけませんや。亀の子なんぞは縁日のときに売ってますが、あたまをつつかれて首をちぢめてばかりいらあ。

人なかで、ああやってあたまをおさえられてばかりいたんじゃあ出世できませんや。

和尚
ではどうじゃな。経文のなかにはめでたい文字がいくらもあるによって、そのなかからつけては?
熊さん
お経でもなんでも、長生きするならかまいません。
和尚
では、寿限無というのはどうかな?
熊さん
なんです?寿限無てえのは?
和尚
寿限り無しと書いて寿限無だな。つまり死ぬときがないというのじゃ。
熊さん
そりゃあありがてえや。もうほかにはありませんか?

こんな調子で提案された案をを全部取り入れてこんな名前ができあがりました。

寿限無寿限無
五劫のすりきれ
海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末
食う寝るところに住むところ
やぶらこうじのぶらこうじ
パイポパイポ、パイポのシューリンガン
シューリンガンのグーリンダイ
グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの
長久命の長助

この名前が性に合ったのか、病気らしい病気もせずに育ちまして、学校へ通うようになると朝、ともだちが誘いにまいります。

「寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助さん、学校へいかないか?」

女房
あらまあ、金ちゃん、よくさそっておくれだねえ。あのね、

うちの寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助は、まだ寝てるんだよ。

いますぐに起こすから、ちょいと待ってておくれよ。さあ、

寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助や、はやく起きて学校へ行くんだよ。

「おばさん、おそくなるから、ぼく、先へ行くよ」

このこどもが大きくなるにつれて、たいへんにいたずらなわんぱくものになりまして、いつも友達を泣かしたりしております。

ある日のこと、なぐられて、あたまにこぶができたと、わあわあ泣きながらいいつけにきた子供がいました。

「あーん、あーん…あのねえ、おばさんのとこの寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が、あたいのあたまをぶって、こんなに大きなこぶをこしらえたよ…あーん、あーん」

女房
あらまあ、すまなかったねえ。うちの寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が、おまえのあたまにこぶをこしらえたって、まあ、とんでもない子じゃないか。

ちょいと、おまえさん、聞いたかい?うちの寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が、金ちゃんのあたまへこぶをこしらえたんだとさ。

熊さん
じゃあなにか、うちの寿限無寿限無、五劫のすりきれ、海砂利水魚の水行末、雲来末、風来末、食う寝るところに住むところ、やぶらこうじのぶらこうじ、パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナの長久命の長助が金坊のあたまへこぶをこしらえたっていうのか。

どれ、みせてみな、あたまを…なーんだ、こぶなんかねえじゃねえか。

 

「あんまり名前が長いから、こぶがひっこんじゃった。」

 

名前の意味

■寿限無
死ぬときがない

■五劫のすりきれ
三千年に一度、天人が天下って下界の岩を衣でなでる。その岩をなでつくしてきれてなくなってしまうのを一劫という。それが五劫というので、何万年何億年かかぞえつくせない

■海砂利水魚
海の砂利も水に住む魚も取りつくすことができない

■水行末、雲来末、風来末
水の行く末、雲の行く末、風の行く末、いずれも果てしがなくめでたい

■食う寝るところに住むところ
衣食住は人間に欠かせない

■やぶらこうじのぶらこうじ
やぶこうじという木があり、春は若葉を生じ、夏は花咲き、秋は実をむすび、冬は赤き色をそえて霜をしのぐめでたい木

■パイポパイポ、パイポのシューリンガン、シューリンガンのグーリンダイ、グーリンダイのポンポコピーのポンポコナ
むかし、唐土にパイポという国があって、シューリンガンという王様とグーリンダイという王后のあいだに生まれたのが、ポンポコピーとポンポコナというふたりのお姫様で、このふたりが長生きをした

■長久命
天長地久という読んでもめでたい字

■長助
長く助ける

参考:『古典落語(下)』

解説

落語に触れたことがなくても「じゅげむ じゅげむ…」と暗唱したことのあるかたも多いのではないでしょうか。

上方では別名を「長命のせがれ」ともいいます。

このような長い名前の噺は、元禄16年(1703年)刊の笑話本『軽口御前男』をはじめとして、
各地の民話に見ることができます。

落語のイロハであり、前座噺として有名な噺です。

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