「現地の言語はその文化を反映する」
青年海外協力隊には青少年活動、教育系、医療系など様々な職種があり、職種によっては「技術補完研修」というその職種に特化した分野に関する研修を受ける事になります。
私も「コミュニティ開発」という職種の技術補完研修を昨年の9月に5日間、東京の市ヶ谷で受講しました。
そこで学んだことの一つが冒頭の「現地の言語はその文化を反映する」ということです。
キニアルワンダを学習しているうちに、なんとなく自分の中で言語と文化の繋がりがいくつか見えてきました。
「メニュー」という単語がない
キニアルワンダ語にはメニューという単語はありません。
ルワンダでは、外国人などの富裕層が利用するお値段高めのカフェやレストランを除くと、つまりキニアルワンダの話者である現地の人が主に利用するレストランなどにはメニューがないことが多いです。
理由は単純です。
それで困らないから。
ルワンダのバーやレストランはどこに行っても品揃えがほぼ一緒。
メニューなんか見なくても「まあだいたいブロシェット(串焼き)とポテトくらいはあるだろう」と予想がついてしまいます。
あとルワンダ人はいつも同じものを食べる・飲む傾向があります。
同僚などを見ていてもいつも同じ種類のビールを頼むし、2,3回行った事のあるバーに行ったら注文もしていないのに以前飲んだビールを持ってきました。
そう考えると「頼むものを変えない⇒メニューは必要ない」というのも理由の1つかもしれませんね。
異様に声デカい人と異様に声ちっさい人がいる
キニアルワンダにはこんな動詞があります。
gusakabaka:to speak noisily
gusakuza: speak loudly
日本語で言うと「大声で話す」とかそんな感じでしょうか。
英語にしても日本語にしても「noisily、loudly」や「大声で」など副詞で補わないと同じニュアンスは表現できず、同等の動詞が存在しません。
これはルワンダ人は異様に声がデカい人と異様に声が小さい人がいることと関係していると妄想しています。
異様に声の小さい人が異様に声がデカい人にいつも「うるさいな~」と思っているうちに出来た言葉なんじゃないでしょうか。
もちろん日本にも声のデカい人、小さい人はいますがその比率が違います。
どちらも国民の数を10人とするとこんな感じ。
【ルワンダ】
声デカい人3人:ふつう4人:声小さい人3人
【日本】
声デカい人1人:ふつう8人:声小さい人1人
ルワンダの声デカい人はすごいですよ。バスの中で電話するのに川の向こう側の人に話しかけるくらいのボリュームですからね。
男女の区別がない?
日本語であれば「彼・彼女」、英語であれば「He、She」のように、人を表す代名詞には男女の区別があります。
しかしキニアルワンダではどちらも主語であれば「a」。
ルワンダ人は英語を使っても平気で男の事を「She」、女の事を「He」とか言ったりします。
これはルワンダでは日本やアメリカに比べて男女の区別が良い意味でも悪い意味でもないことと関係しているのではないかと思います。
良い面で言えば女性の社会進出。
ルワンダは女性が国会議員に占める割合が57.5%で世界一となっています(2014年10月現在、外務省基礎データより)。
日常を見ていても男だから働く、女は家にいるといった雰囲気は日本ほど感じられません。
悪い面(?)ではレディーファーストの文化がない。
女性が重い荷物を運んでいても男は知らん顔しているし、「女性を大切にする」、「女性を守る」という感覚がないように思います。
こうやって考えながら言語を学ぶと相乗効果!
今挙げたのは全て私の勝手な推測(というか妄想)です。
正直これが本当かどうかはどうでも良いなと思っています。
こうやって言語と結び付けたりすることで「日本の感覚では非常識!」と思ってしまいがちなルワンダの文化・慣習も「そういうことなのかな」と納得できるし、
文化と結びつけることで得てして単調作業になりがちな言語学習も興味を持って進めることが出来ます。
いろんな角度からルワンダを考えることで、活動やビジネスのヒントがつかめるかもしれませんしね!