考え事

人を許すのに必要なのは「広い心」よりも「妄想力」

ルワンダの朝が好きです。根本(@dujtcr77)です。

突然の告白ですが、私はむかし電車で寄りかかってくるオジサンがとても苦手でした。

大学時代は片道2時間半、監査法人に勤務していた時も1時間半~2時間を通学・通勤に費やしていたため、オジサンに寄りかかられたことのある回数は日本で上位10%に入る自信があります。

態勢を変えるフリをしてオジサンを威嚇したことも1度や2度ではありません。

押してダメなら引いてみよう、と引いてみたらもっとオジサンが寄りかかって来て絶望したこともたくさんあります。

しかしある能力を付けてから、寄りかかってくるオジサンを許せるようになったのです。

相手を許すために妄想をする

どうしても許せない人や行為、誰にでも1つや2つはあるのではないでしょうか?

そんな時の解決方法は自分が折れる、話し合う、などいくつか考えられますが、最も有効な手段の1つが「妄想」なのです。

先ほどの寄りかかってくるオジサンを例にとりましょう。

いや、オジサンの事を考える前にまずは違うシチュエーションを想像してみて下さい。

電車で自分に寄りかかっているのが一緒にディズニーランドに遊びに行った帰りの友達だとしたら、嫌な気持ちになるでしょうか?多くの人はならないんじゃないかと思います。

それは彼・彼女が眠くなる理由知っているから。「あれだけ目いっぱい遊んだんだからそりゃ眠くもなるよな」そう思って相手に肩を喜んで貸してあげるはずです。

オジサンに戻ります。

寄りかかられるのが嫌なのは、このオジサンが<知らないオジサン>だからです。ここで「妄想力」を最大限に発揮して<知らないオジサン>を<知ってるオジサン>に変えてしまうのです。

【例】

彼は稲川大輔49歳。妻と14歳になる1人の娘がいる。決して円満な家庭ではなく妻とも会話は年々減る一方だ。思春期の娘も「パパ臭い」などと平気で言う。唯一の生きがいは仕事だ。

そんな大輔に千載一遇のチャンスがやってきた。社運をかけたプロジェクトを任され、今日はクライアントへのプレゼンの日だった。クライアントからの回答は来週のため結果はわからない。でもやるだけのことはやった。

毎日家で飲む発泡酒の代わりに、今日は居酒屋で生ビールと慣れないウイスキーを飲んだ。家に帰ったら娘に「パパ酒臭い。近寄らないで」って言われるんだろうか。そんなことを考えながら寝てしまった、帰りの電車。

どうでしょうか?さっきまで肩を貸すのも嫌だったオジサン、いや、大輔さん。

なんか少し愛おしくて「お疲れ様でした。少しの間ですが今日はこの肩でお休みください」的な気持ちになりませんか?

この方法を使って青年海外協力隊としてルワンダに来てからもいくつかの不満を解消しています。

協力隊の悩み

「チャイニーズ!」

ルワンダに限らず、特にアフリカ地域で活動する協力隊の悩みの種となるのが現地人に「チャイニーズ」「ニーハオ」「チンチョンチャン」と言われること。

あまり経験のない方は「それくらいどうってことないじゃん」と思われるかもしれません。

最初はそう思うんです、でもそれが毎日のように、しかも1日に何回も言われるとキツイんですよね。機嫌が悪かったり活動がうまく行かなかったときの帰り道にからかわれるのはとても腹が立つし、悲しい。

そんなときは妄想

ここでも無理に自分の感情と戦うのではなく妄想してみましょう。

9歳のブライアン君。覚えたことはなんでも試してみたい好奇心旺盛な年ごろ。

彼はルワンダの地方で暮らしており産まれてから外国人を見たことがほとんどない。家にネットもないため外国について知っている事といえば学校で先生が教えてくれたことや友達と話すことくらいだ。

どうやらアジアと言う地域にはチャイナって国があって、あいさつは「ニーハオ」というらしい。

ある日、いつも通り学校を終えて家に帰っていると遠くから自分たちとは色の違う人間が歩いてくる。あ、中国人だ!

「ニーハオ!」興奮気味にその言葉を放つ。あとなんか知ってる言葉あったっけ…あ、「チンチョンチャン!」

彼は興奮するままに知っている単語を連発して中国人の気を引こうとする。

可愛いじゃないですかブライアン君。

彼らはきっと馬鹿にしたいというよりは、物珍しい外国人となんとかコミュニケーションを取ろうとしてるんです。

その照れ隠しで言い方がからかっているようになったり、言った後に友達たちと笑っているだけ。そう思えばそんなにムカつきません。

最近は「チャイニーズ!」って言われても「いや違うから!日本人だから!」ってツッコんで楽しんでます。

相手を知ること

相手の行動が許せないのは「相手がなぜそんなことをするのかわからない」ことが原因の一つとして挙げられます。

だったら知ってしまえば良い。

もちろんその人と話したり時間を共有して本当に知ることができればそれが一番良いのですが、すべての人と話すのは不可能です。

そういうときは妄想力を発揮して勝手に相手を知ってしまいましょう。けっこう楽しいですよ!

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