『AKB48』が教えてくれた異文化理解のコツ。大切なのは「説明しない勇気」だった。

途上国で生活していると多くの「異文化の壁」にぶつかることになります。

「異文化の壁」を乗り越えるために有効な手段として「説明する」ということが挙げられますが、これが口で言うほど簡単なことではありません。

宗教や冠婚葬祭、ビジネスに対する考え方など数ある「異文化の壁」の中でも難攻不落の壁があります。

それが『AKB48』です。

第1の壁:そもそも「アイドル」という概念がない

「アイドル」とは?

アイドルとは、「偶像」「崇拝される人や物」「あこがれの的」「熱狂的なファンをもつ人」を意味する英語に由来し、文化に応じて様々に定義される語である。

日本の芸能界における「アイドル」とは、成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物を指す。外見が最も重要視されるモデルとは異なり、容姿が圧倒的である必要はなく親しみやすい存在であることが多い。

引用:Wikipedia

Wikipediaの定義だと、日本の「アイドル」には本来のアイドルの意味に「成長過程をファンと共有」、「親しみやすい」といったニュアンスが加えられています。

ルワンダでは既に成熟した(ルワンダの中ではと言う意味で)アーティストが活躍しており、日本で言う「アイドル」という概念がないため、AKB48のように抜群に歌が上手い訳ではない、しかも少女たちが歌って踊っているのが新鮮なようです。

まあ、この程度であればまだ説明はそんなに難しくありません。

第2の壁:システムが難解

AKB48ってシステムがやたらと複雑じゃないですか?

AKB「48」といっているのにメンバーは48人じゃないし、「研究生」という予備軍がいるし、なんかメンバーも変わったりするし…。

人気のメンバーだけが選ばれるかと思えば、じゃんけん大会で勝った人が次のシングルに参加できるとかもはやカオスですよね。

日本人でもその全体像を把握している人は少ないんじゃないでしょうか?私もよくわかりません。

ルワンダ人に説明する時に調べて衝撃的だったのが、AKB48から派生した姉妹プロジェクトの多さ。国内外でこんなにあるって知ってました?こりゃ覚えられん。

【日本国内】

2008年に名古屋市・栄を拠点とする「SKE48」
2009年にAKB48劇場を本拠地とする第二のグループとして20歳以上のメンバーのみを集めた「SDN48」
2010年に大阪市・難波を拠点とする「NMB48」
2011年に福岡市・博多を拠点とする「HKT48」
2015年に新潟市を拠点とする「NGT48」

【海外】

2011年にインドネシア・ジャカルタに「JKT48」
2012年に中華人民共和国・上海に「SNH48」
2016年3月26日には、横浜スタジアムにおいて開催された「祝 高橋みなみ卒業”148.5cmの見た夢”in 横浜スタジアム AKB48単独コンサート」で、台湾・台北の「TPE48」、フィリピン・マニラの「MNL48」、タイ・バンコクの「BNK48」の3グループが、2016年中に始動することが発表された。

引用:Wikipedia

第3の壁:みんな同じ顔に見える

こんなにたくさんいて、競争も激しいんだよ~。「どの子が好き?」

って聞いても、ルワンダ人にはAKB48のメンバーは皆同じ顔に見えるから違いがわからないようです。

確かに日本人がアフリカ人を区別するのも難しいですもんね。無理はありません。

難攻不落の壁:「神が7人」

毎年開催される「選抜総選挙」というイベントにより、「オタク」と呼ばれる熱狂的なファンを中心に投票が行われ、得票数の多かった上位7人は「神」と呼ばれる。

・・

・・・

どこから説明しようか?

「選挙」って言葉使っちゃうとなんかややこしくなっちゃうよね?

「オタク」は説明しなくて良いかな?

国民のほとんどがクリスチャンのルワンダで「人気の美少女7人が神となる」なんて言ったらアカンよね?

安心してください。はいてま

説明がこの最後の壁に来た頃には先にルワンダ人の頭がショートしてもうインプットする気ありませんから。

異文化理解に必要な「説明しない勇気」

この記事を読んでくださった方の中には、「そもそもAKB48の話なんかしなきゃいいじゃん!」と思った方もいるでしょう。

確かにそうなんですが、困ったことにルワンダ人AKBの歌が結構ハマるんですよ。特に『恋するフォーチュンクッキー』が大好き。ほぼハズさないです。

なので話を広げて仲良くなるためにはAKB48の説明が必要になってくるんですね。

今までの経験から1つの模範解答を書いておきます。

「AKB48」は、日本で最も人気があるグループの1つ。

毎年このグループを応援している人たちから人気投票が行われ、上位7人は「神」と呼ばれる。

え、短っ!これだけ?

はい、これだけで良いんです。

最低限の情報におさえ、食いつきが良い部分だけを説明。

私の周りではガチなクリスチャンが少ないためか、「神」のくだりはけっこうウケます。
まあここは相手の性格やどれだけ熱心な信者かを見定める必要はありますが。

大切なのは「最低限の情報におさえる」ということ。

日本の文化について聞かれるとついつい力んで1~10まで真面目に説明したくなってしまいます。

そこをグッとこらえて、「シンプルに」、「わかりやすく」、「面白く」説明する。

それで興味を持ってくれてもっと質問が来たらはじめて答えてあげればいい。

「異文化理解」はお互いの事を100%理解することが重要なのではなく、理解しようという姿勢が大切。

時には「説明しない勇気」も必要なんだとAKB48が教えてくれました。