落語『時そば』あらすじ・解説

こんにちは、アフリカ在住ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

今回は落語『時そば』を紹介します。

あらすじ

むかしは二八(にはち)そばというものがあって、十六文で商いをしておりました。

その由来は二八の十六で二八そばだとか、そば粉が八分でうどん粉が二分だから、二八そばという人もいます。

冬の寒い夜に屋台に飛び込んできたひとりの客。

「おう、そば屋さん、なにができるんだい?え、花まきにしっぽく?

じゃあしっぽくをこしらいてくんねえ。うーん、どうも寒いじゃねえか。」

「花まき」は海苔の入った蕎麦、「しっぽく」はちくわなどの具がのった蕎麦。

「ええ、たいそう冷え込みますなあ」

「どうでえ、商売のほうは?なに?ぱっとしねえか?まあ、そのうちにゃあいいこともあるさ。

あきねえといって、あきずにやるこった。」

「ありがとうございます、お客さんはうまいことをおっしゃいますねえ」

待っている途中、食べている時も
「看板はあたり屋で縁起がいい」
「できるのが早い。江戸っ子は気が短いからこうでなくちゃ」
「割り箸を使っていて嬉しいね」
「いいどんぶりを使っている」
「汁の具合がいい」
「ちくわを暑く切ったねえ、こうでなくちゃ」

などと調子よくそば屋を褒める。

十六文を支払うのに小銭で間違えるといけないからと店主に手をだすように求める。

「いいかい、ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、何刻だい?」

「へえ、九刻で」

「とお、十一、十二、十三、十四、十五、十六だ。」

勘定を払ってすーっといっちまいました。

この様子を陰でみていたのが世の中をついでにぼーっと生きているような男。

あの野郎、まあよくしゃべりやがったな。

しかし子供じゃあるめえし、十六文ぽっちの銭を間違えるやつがあるもんか。

それにしてもおかしなところで時刻を聞きやがったな。

ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、何刻だい?九刻で。とお、十一、十二、十三、十四、十五、十六…

あれ、少なく間違えて一文ごまかしやがった!

うまくやったもんだ。

しかしこいつはおもしれえや、おれもやってみよう。

その翌朝、はりきって早い時間に細かいのを用意してそば屋を呼び止めました。

おい、そば屋さん、なにができるんだい?

え、花まきにしっぽくか?じゃあしっぽくをひとつ。…寒いねえ。

「いえ、今晩はたいそうあったこうございますが…」

そうだ、寒いのは昨日だった。

どうだい?商売のほうは?

「ええ、おかげさまでうまくいっております。」

なんだい、いいのか?あきねえでってのができねえじゃねえか。

的に矢が…あれ、たってねえや。

とこんな調子で昨日の旦那の真似をしようとしてちんぷんかんぷんなことを繰り返すのでした。

もうよそう。

おい、いくらだい?

「へえ、ありがとうございます。十六文でございます。」

小銭だからまちげえるといけねえや。

手を出してくんねえ。勘定わたすから…

「へえ、これへいただきます。」

じゃあいいかい…

ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ、むっつ、ななつ、やっつ、何刻だい?

「へえ四刻で」

いつつ、むっつ、ななつ、やっつ…

 

引用・参考:『古典落語(上)』

解説

原話は、享保11年(1728年)の笑話本『軽口初笑』にあるが、落語は明治時代に三代目柳谷小さん(こさん)が上方噺「時うどん」を江戸風になおしたのだという。

「いまなんどきだい?」などと、日常会話にも使われるくらい有名な落語。

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