落語

落語『品川心中』あらすじ・解説

こんにちは、アフリカ在住ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

今回は落語『品川心中』の紹介をします!

あらすじ

昔は吉原に次ぐ歓楽街であった品川。

この品川新宿の白木屋のお染は板頭、
すなわちこのお店のナンバーワンの女郎だが、
このお染も寄る年波にゃあかなわない。

年に一度の衣替えの日には妓楼のやり手、
若い衆などに自前で配りものをしなければならない。
しかし資金調達のめどはたっていなかった。

お染
お染
生き恥をかくならいっそ死んでしまおう。
でも金詰まりの自殺とは思われたくない、相手を見つけて心中しよう…
どうしようかねえ…心中っていってもどの人も可哀そうで…
あ、独りモンの本屋の金蔵さんがいい!

ということで神田の貸本屋、金蔵に心中の相手を決めたお染。
手紙をもらった金蔵は喜んで品川へすっとんできた。

ところが他のお客をまわってなかなか自分のところにお染はやってこない。
ふてくされて寝たふりをしているとようやくお染が入ってくる。
狸寝入りともしらずにお染は書置きをしたため始めた。

起きた金蔵は仰天。
金の悩みがあるなら相談しろと良い男を気取るも、
金蔵に用意できるのはせいぜい1両程度。

結局死ぬしかない。
お染に流され心中をすることにした金蔵。

しかし当日になって金蔵はカミソリは傷の治りが悪い、
首つりはざまが悪い、海へ飛び込むと風邪を引くからと怖気づいている様子。
そうしているうちに白木屋の方から人のかげ。
邪魔が入ってはならないとお染は金蔵のへっぴり腰をついて海へ落とした。

お染も海へ飛び込もうとしたが店の若い衆に抱き止められてしまった。
その者によると番町の旦那が金を持ってきてくれたので死ぬ必要はないとのこと。

「でも一人さきに…貸本屋の金さんが…」
「ああ、あいつならいいや」

なんともひどい話。

金蔵はずぶぬれになりながらなんとか親分方へたどりつき、おもての門を割れんばかりに叩いた。
中では賭場を開いていたから役人の手が入ったと勘違いで大騒ぎ。

お染をみんなで懲らしめてやろうと怪談仕立てで仕返しの計画をする。

金蔵はあくる日の夕方に白木屋へやってきた。
お染ははじめは驚くが無事とわかった安心した様子。

疲れたと言って金蔵が先に寝たあとに親分が金蔵の弟分を連れて訪ねてきた。
金蔵は昨日死んだ、ゆうべ品川沖で自分が打った網にかかったと言う。

お染はたった今金蔵が来たばかりだ、そんなはずはないとあざ笑う。

親分は証拠に持ってきた位牌を探すも、
あるはずが見つからない芝居をする。

論より証拠とお染が金蔵の寝ている部屋に二人を案内すると、
布団の中はもぬけの殻。
代わりにさっきはなかったはずの金蔵の位牌が寝ている。

さすがのお染もぞっとした。
髪をおろして僧形になり金蔵の回向をしてやれという親分の言う通り、
お染は髪を切った。

途端に金蔵がでてきて嬉しそうに出てきて一言。

「おめえがあんまり客を釣るから比丘(魚籠)にされたんだ」

 

解説

三遊派(三遊亭系統)に古くから伝わる
郭噺(くるわばなし)の大ネタ。

ほとんど上演されない「下」

仕返しの場があるが面白くなく、サゲ(落ち)も上等でないためほとんど上演されない。

だいたいは賭場がこわれる大爆笑劇のところで終わり、
そこまででも優に30分はかかる。

柳谷さんは全篇を通してよくやり、金蔵の人物像に修正を加えつつ全体を整えてきかせる。

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