落語『明烏』あらすじ・解説

こんにちは、アフリカ在住ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

今回は落語『明烏』の紹介をします。

あらすじ

遊びのひとつも知らない真面目で評判の商人のむすこ時次郎。

21歳にもなって勉強ばかりで親孝行なことですが、両親は少しくらい裏の世界も知らないとと心配しておりました。

「たまにはどこかに気晴らしにいっといで」というと、

時次郎
それではおとっつあん、ちょうどよろしいことがございます。

いま、おもてで源兵衛さんと多助さんに会いましたら、たいへんにはやるお稲荷さまがありますそうで。

ぜひお参りに行かないかと誘われましたが、まいってもよろしゅうございますか。

「源兵衛と多助が、はやるお稲荷さま?…お稲荷さまは、どっちの方角だといっていたい?」

時次郎
なんでも浅草の観音さまのうしろのほうだそうです。

「うふふふ、あのお稲荷さまはばかに繁昌するお稲荷さまでね、おとっつあんなんか若いときには日参したもんだ。

いっといで、いっといで…なんならおこもりしてきてもいいんだから…」

こうして時次郎の両親はむすこに「あのお稲荷さまはたいそう派手なことがお好きでらっしゃる」と着物を着させ、
「お賽銭が少ないとご利益がないから」とたっぷりお金をもたせた。

時次郎は源兵衛・多助に連れられて吉原へ。

最初は信じていた時次郎もさすがに気が付きます。

時次郎
源兵衛さん、多助さん、ここは吉原じゃありませんか。

あたくしはお稲荷さまへおこもりをするというからきたんですよ。

それをあなたがたはあたくしをだましてこんなところへつれてくるなんて…

怒った時次郎はいますぐに帰ると言い出しました。それを必死に止める源兵衛。
そこで多助が言います。

「おいおい源兵衛、なにをいってるんだよ。帰りてえもんは帰したらいいじゃねえか。

帰ってもらおうだがねえ、若旦那、あなたに吉原の規則というものをおはなししとおきましょう。

いいですか、さっきあなたにお稲荷さまの鳥居だと教えた所があったでしょう。

実を言えば、あれが有名な吉原の大門というところだ。
あの門のところへ髭の生えたこわいおじさんんが5人くらい立ってたでしょ?

あれはね、どういうわけで立っているかというと、どんな身なりをした男が何人で来たかということを、ちゃーんと帳面につけてるんですよ。

あたしたちが3人で一緒に通って来たのに、若旦那ひとりだけでのこのこ帰ってごらんなさい。
たちまちふんじまられちまいますぜ。

なあ、源兵衛、そうだな。」

2人は口裏を合わせて時次郎を言いくるめ、一結局時次郎は吉原で一晩を過ごしました。

翌朝、源兵衛と多助はさっぱり女にふられてぶつくさ言いながら時次郎のもとへ。
そろそろ起きて帰るぞと言ってもなかなか布団から出てこない。

時次郎
おいらんは、口では起きろといってますけれど、布団の中ではあたくしの手をぎゅーっと握ってはなしません。

「いまいっしょに帰るから…」
引っ張ると時次郎は階段から転げ落ちてしまいました。

「しょうがねえなあ。じゃあ若旦那、あなたは暇な体だ。まあゆっくり遊んでらっしゃいよ。

あっしたちは、これから仕事に出かけなくちゃならないんですから…じゃあ、先に帰りますからね。」

時次郎
あなたがた、さきに帰れるもんなら帰ってごらんなさい。大門でしばられちまいますから。

解説

新内「明烏夢泡雪」や人情噺「明烏後正夢」の発端を落語化した廓噺の代表作。

商人として社交もできない若旦那の軟化をたくらむ粋な父親のアイディアと、それを実行にうつす源兵衛と多助の活躍によって噺が展開される。

それが、固い梅のつぼみもほころびる初牛の季節を背景に、堅い時次郎の青春も花開くという筋立てのために、たくまざる色気があふれている。

八代目桂文楽によって、艶と品位を備えるに至ったこの廓噺も、もとは官能的な演出もあったらしいということが「百花園」所収の春風亭柳枝の速記からも想像される。

参考・引用:『古典落語(上)』

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