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『高い城の男/ THE MAN IN THE HIGH CASTLE』シーズン2 あらすじ・感想

こんにちは、アフリカ在住ブロガーのぴかりん(@dujtcr77)です。

2017年1月27日から日本でも配信が開始された『高い城の男』シーズン2。

シーズン1の配信が日本では2016年の12月だったので、
2はもっと先になるかと思いきや嬉しい事にまさかのスピード配信。

さっそく視聴を開始しました。

今回はそのレビューを書きたいと思います。

以下ネタバレ要素があるのでご注意ください。

シーズン1までのあらすじ

物語の舞台はアメリカ。
アメリカが第2次世界大戦に敗れ、戦後のアメリカを日本とドイツで分割統治しているという設定です。

どちらの国もかなりの圧政で、かつての「自由」なアメリカは見る影もありません。

そんな中、アメリカ国内には「レジスタンス」と呼ばれる組織がこの状況を覆すために水面下で動いていました。

物語のカギを握るのがフィルム。
「高い城の男」という人物がつくったとされるこのフィルムには今とは異なる世界が映し出されています。

このフィルムを集めるレジスタンス、
そしてこのフィルムが世に出る危険性を認識し回収しようとするドイツ(ヒトラー)。

一方でこの物語は日本とドイツの間にも絶妙な緊張感があります。

それぞれの国はお互いの存在を良しとしておらず、
戦争に発展する可能性を秘めている。

しかしそれぞれの国の中にも平和的に分割統治をし続けたいという人もいるため、
内通者やスパイを忍び込ませています。

とこのように、シーズン1は登場する国、そしてキャラクター達の思惑ははっきりしつつも、
その後の展開がどうなるのかというところで終わりました。

シーズン2の感想(ネタバレなし)

シーズン2で一気に展開が加速してきました。

『高い城の男』はシーズン3の制作が決定しているので、
すべての謎が明らかになることはないでしょうがかなりシーズン1で気になってたところがスッキリとするのではないかと期待。

シーズン1に続いてキャストたちがこのドラマの重く、そして緊張感のある世界観を見事に引き立たせています。

特に好きなのがやはり主人公のジュリアナ・クレイン(アレクサ・ダヴァロス)。
キレイなんだけど少し苦労しているような表情で、まさに本作のシチュエーションにぴったりです。

シーズン1からずっとお気に入りが田上さん(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)。
原作にちなんで「タゴミさん」と呼ばれる不自然さ、平和を想う心、悪役顔なのに良い人と言うギャップ。
すべてがたまりません。
第1話ではモジモジしてたので、もっと頑張って欲しいですね。

あと地味にツボなのがロバート・チルダン( ブレナン・ブラウ)、芸術工芸品商会の店主ですね。
中途半端にプライドが高く、でも自分の利益のためなら日本人に媚びる、すぐに動揺する。
「コイツ男としてちっちぇえな…」と呆れて少しイライラさせる様な演技が絶妙にうまい。
不思議とセコイ男の顔に見えてくるんだからアッパレです。

シーズン2 各話のあらすじ・感想

第1話 虎の穴/ The Tiger’s Cave

あらすじ

シーズン1の終わりにジュリアナに逃がしてもらったジョーは、
無事にニューヨークにいるスミス親衛隊大将にフィルムを届けます。

お手柄のジョーですが、スミスのやり方に不満な様子で辞職の申し出をし、
今の仕事から足を洗いました。

一方でジュリアナは「高い城の男」らしき人物と接触。
彼の求める答えを持っていなかったため、ジュリアナはその部下たち(レジスタンス)に処分されることになります。

しかしジュリアナは移動中に逃げ出し、レジスタンスはそこに居合わせた憲兵隊と交戦。
ここでケイト(シャノン・デイ)が亡くなってしまいます。

一方で皇太子の暗殺未遂事件の容疑者として捕らえられてしまったエドを助けようとフランクが憲兵隊に接触。
骨董屋のロバートと組んでエドを救出しようと計画していました。

感想

シーズン1のラストで「自分は変わったんだ」と言っていたジョーの言葉は本当だったんですね。
ジュリアナとの出会いを通して、そしてナチスドイツのやり方を見て自分のやっていることに疑問を感じたわけです。

自分のやっていることに疑問といえばもう一人。木戸さんです。
憲兵隊の幹部として仕事に徹するも、それは時に人道に反するものでした。
エドをかばって必死の訴えをするフランクとのやり取りから様子が変わりましたね。
この心変わりが今後のストーリーのカギを握るのでしょうか。

あとこのドラマ少し男臭い!笑
ケイトが死んでしまったことで、より一層。
メインの登場人物ほとんど男ですからね。
新キャラ登場に期待です。

第2話 険しい道/ The Road Less Traveled

あらすじ

命からがらレジスタンスから逃げ延びたジュリアナは、ヒッチハイクをして家に帰ります。

フィルムで観た男が何者なのかを知るために家でアルバムを見るジュリアナ。
それらしき男の写真を見つけ誰なのか母親に問い詰めるとジュリアナにとって衝撃の事実が判明しました。

フィルムの男はジョージ・ディクソン。
トルーディの本当の父親であるということ。
ジュリアナの父親の親友で彼が亡くなった後に何度か関係を持ったのだと言います。

一方でフランクはロバートと組んでエドの救出のためヤクザと交渉へ。
偽造品を作って儲ける話を持ち掛け、その代わりにエドの救出を手引きするように求めます。
結果として木戸大尉とヤクザの交渉が成立しエドは釈放されました。

第2話の最後は重要指名手配となったジュリアナがギリギリのところでドイツ領に逃げ込み保護を要求。

感想

トルーディとジュリアナの両親との関係がさらにややこしく…。

フランクが危機を乗り越える度に強くなっていくのでまるでサイヤ人ですね。
狂気性すら帯び始めました。

第3話 旅人たち/ Travelers

あらすじ

スミスのもとに医者がやってきて、スミスの息子の病気のことについて2人で話します。
息子の病気は報告義務がある難病で、報告しなければ医者が罰せられるとのこと。
息子を安楽死させたくないスミスは口止めのためにこの医者を殺害。

ジョーは父・ホイスマン首相に会うためにドイツへ。
母と自分を捨てた父との対面はうまくいかず、口論に発展してしまいます。
パーティーに出ても関係回復とはならず、途中で去るジョー。
ここでひとりの女性ニコール・ドマーと出会います。

ドイツに逃げ保護を求めたジュリアナはスミスの権限で家を用意してもらいます。

一方フランクは、無事釈放されたエドとヤクザにおろす品の制作に取り掛かるも、
レジスタンスとの接触を通じて自分も戦う決意を固めました。

日本の中でも物語が徐々に動き始めています。
日本本土よりやってきた小野田将軍により状況は日本対ドイツの戦争に現実味を帯びてきてしまいました。
それを阻止しようとするも権力差により厳しい注意を受ける田上。
木戸も引き続きフィルムとジュリアナの捜索に関わりながらも、小野田将軍との距離をはかっている様子。

感想

スミスの医師に対してやったことは決して人間として許されることではありません。

でも、自分が同じ立場だったら、父親としての正解はなんなのか考えさせられてしまいますね。
私には子供がいないのでイメージが難しいですが、彼の決断に共感できる人もいるのでしょうか?

第4話 緊張の高まり/ Escalation

あらすじ

田上は小野田将軍がウランを用いて核兵器を作る計画で、
バスを使ってウランを運搬し一般人をリスクに晒してしまうことに葛藤していました。
暴走気味の小野田を抑えるために木戸大尉は強行手段に出ます。
クラブに大将を連れ出し泥酔させた状態で書類に承認印を押させてしまったのでした。

結局父のホイスマンと分かり合うことのできなかったジョーはドイツを去る決意をします。
空港では何故かパーティで会ったニコールと再開。
結局この女性が何を目的として動いているのかはわからないまま去ってしまいました。

フランクとエドはレジスタンスと共に行動。
目的は教えてもらえませんが爆薬を盗み出す作戦に協力します。
行動を共にしているうちにフランクはサラと気持ちを通じ合わせ、関係を持ってしまいます。

ジュリアナはニューヨークに来た目的であるジョージ・ディクソン探しを本格的にはじめました。
その動きを捉えたジョージからジュリアナへ電話が来て・・・

感想

第1話でケイトが死んで男臭くなった、と書きました。
ちゃんと女性の主要キャラクターがまた増えてきましたね。

個人的にはニコールが今後どう物語の本筋にからんでくるのか楽しみです。

第5話 壊滅の予兆/ Duck and Cover

あらすじ

ついにショージ・ディクソンと接触したジュリアナ。
レジスタンスを裏切ったジュリアナは殺さない代わりにある任務を言い渡されます。
それはスミス一家に近づくことでした。

第5話ではジョーの出生の秘密もあきらかになりました。
ドイツには「レーベンスボルン」(生命の泉)という、完璧な人種を作ることを目的とした非人道的な施設がありました。
ジョーはそこで人種的に望ましいと思われる女性により作られた子どもだったのです。
この事実を知ったジョーはショックを受けますが、父親の説得もありベルリンに留まります。

木戸はジュリアナがベルリンでスミスのもとで匿われていることを知り、スミスのもとへ引き渡しを要求しに行きます。
引き渡しは拒否されたが、スミスと密談を交わしました。

高い城の男はごく一部のフィルムを移動し、その他のフィルムはそれを保管していた倉庫とともにすべて燃やしてしまうのでした。
そしてまたどこかへと姿をくらませます。

感想

ジョーはそういう経緯で生まれた子どもだったんですね。
シーズン1で失敗をしてもスミスから何度もチャンスを与えられて違和感を感じていました。
ただ首相の息子で、「生命の泉」出身だったら特別待遇は納得ですね。

第6話 金継ぎ/ Kintsugi

あらすじ

スミス家に近づくことを求められていたジュリアナですが、さらに具体的な指示が言い渡されます。
それはナチスの社交界の嬢王であるスミスの妻・ヘレンに取りいること。
その指示通りにまずは婦人会の集まりに参加し幹部のひとりであるルーシー・コリンズと仲良くなりました。

スミスは息子が病気であることを世の中に知られないために、息子を誘拐させて誘拐先で安全に暮らす計画をたてます。
もう息子に会うことができないかもしれない、悲しい決断でした。

ニコールはジョーと同じく「生命の泉」の子どもであり、ジョーの父ホイスマンの指示でジョーに近づいていたことがわかりました。
そのことにはじめは腹を立てたジョーでしたが、ジョーはニコールに連れらクラブへ行きそこにジュリアナの幻を見ます。

田上はもうひとつの世界で家族や息子の嫁になっているジュリアナ達と時を過ごしていました。
この世界では田上と家族の関係はなく、特に孫に対して何かがあったようでした。
田上は孫の名前が書かれたマグカップに「金継ぎ」をします。

感想

第6話ではニコールが何者かもはっきりしましたね。
それにしてもニコールの仲間たちの集まってた場所すごいな。笑

第7話 ほほ笑みの国/ Land O’ Smiles

あらすじ

レジスタンスは手に入れた爆薬の使い道を決めました。
それは小野田将軍を始末することでした。
当初のレジスタンスが立てたプランは失敗に終わってしまいますが、フランクが代わりの作戦を提案します。

はじめはエドの存在を煙たがっていたロバートでしたが、時間を過ごしているうちに、そして彼の才能をみてエドを認め始めました。
彼らがヤクザへの支払いに訪れると、木戸や憲兵隊が乗り込んできてヤクザの組長・岡村を射殺します。
状況証拠で岡村がフィルムを燃やしたのではという判断によるものでした。(実際に燃やしたのは岡村ではない)

ジュリアナはスミスが殺害した意思の葬式でスミスの息子・トーマスの病気の症状がでたところに居合わせます。
ジュリアナはその異変に気が付いたようでした。

スミス大将のもとへ、総統が倒れたという連絡がはいりスミスはベルリンへ向かうことになります。

感想

レジスタンスの小野田将軍殺害計画、そして木戸による岡村射殺。
また物語が大きく動き始めました。
シーズン2も終盤へ入りさらなる盛り上がりを見せています。

第8話 不用意な噂/ Loose Lips

あらすじ

ジョーは父のホイスマンと打ち解けていました。
そこでヒトラー危篤に伴いホイスマンが総統代理になることに。
過去に代理をつとめた男が家族ごと処刑されたことから、ホイスマンはジョーにアメリカへ帰ることをすすめます。
しかしジョーはベルリンに残る決意をしました。

ジュリアナは夫がテレビ局で勤めるルーシーからの情報でヒトラーが危篤状態であることを知りました。
ジョージとそのレジスタンスの仲間はこれをジュリアナから聞いて次の行動に移る準備をはじめます。

スミスは嘘をついてラインハルトから情報を聞き出します。
そこで、陰謀の裏で動いているのはホイスマンであることがわかりました。

もうひとつの世界にいた田上は家族と和解しはじめました。

感想

スミスがラインハルトと話しはじめたシーンは急でよくわかりませんでしたが、
(サンフランシスコで原爆?って自分もスミスに騙されました。笑)
ホイスマンが黒幕だったんですね。

第9話 爆発/ Detonation

あらすじ

田上はもうひとつの世界で息子が手に入れた、アメリカでの爆弾公開実験のフィルムを手にし、現実世界に戻ります。
ここで琴道ももうひとつの世界から来た人間であることがわかりました。

ジュリアナはジョージとともにルーシーの夫・ヘンリーのところへ。
ジョージはルーシーを人質にとってヘンリーを脅し、ヒトラーが亡くなったことをテレビで公表させます。
これをうけてナチスはヒトラーの死は日本の暗殺によるものだと発表。
戦争へと発展する可能性が一気に高まりました。

エドとロバートはサンフランシスコを脱出し、彼らと別れたフランクはレジスタンスと憲兵隊の本部を爆破作戦に移ります。
木戸に見つかり阻止される危機にあいましたが、先に爆弾が爆発し本部は壊滅状態になるのでした。

感想

田上のもうひとつの世界はすこし退屈だったので、ようやく現実世界に戻ってきたかといった感じ。

それにしても、まさか爆発作戦が成功するとは思いませんでした。

 

第10話 フォールアウト/ Fallout

あらすじ

田上はもうひとつの世界から持ってきたフィルム(マーシャル諸島のビキニ環礁における爆破実験)を木戸に見せます。
木戸はこれを受け、スミスのもとへ急行しフィルムを見せます。
ことの重大さを理解したスミスは、木戸から譲り受けた日本軍による爆破実験のフィルムを持ってベルリンへ。
日本との戦争は楽勝と考えている本部陣営にフィルムを見せ、日本軍はナチス軍の保有する兵器の1000倍の威力の兵器を持っていることを示します。

また、スミスはヒムラー長官にホイスマンが裏切り者であるという情報と証拠を見せます。
また日本がヒトラー暗殺には関わっていない事実を伝え、ホイスマンを失脚させたことで戦争を回避しました。

自分の病気に気が付いてしまったトーマスは、独断で当局へ連絡をし、自ら連行されます。
何も知らない家族にとっては突然の別れとなりました。

約束を果たしたものの、レジスタンスに解放されないジュリアナ。
解放どころかレジスタンスのメンバーに殺されそうになるが、反撃をしレジスタンス幹部の女を殺して逃走。
その途中でジョージに会い、スミス家の息子トーマスの病気を公表しようとするジョージを射殺します。
フィルムで観た光景が、着実に実現していってしまうのでした。

その後ジュリアナは高い城の男に会います。
実は彼の思い通りに動いていたこと、そしてジュリアナはすべてを失ってしまったことに怒りをぶつけます。
「それは違う 信じてくれ」と言い連れていかれた先にいたのは死んだはずの妹・トルーディでした。

感想

やっぱり生きてましたねー、トルーディ。
海外ドラマは1回や2回殺されただけでは死なないですから。笑

派手なアクションシーンやどんでん返しという要素はそこまで多くなく、
その代わりに各登場人物の心情を深く映し出す演出が高い城の男』らしくシーズン2も大満足。

シーズン3にも期待です!

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